日立エナジー、ノルウェーでSF₆ガスフリー420kV GISを受注 

・スタットネットの送電網拡張に対応

 日立エナジーは5月28日、ノルウェーの国営送配電事業者スタットネットから、SF₆(六フッ化硫黄)ガスを使用しない420kVガス絶縁開閉装置(GIS)「EconiQⓇ」2台を受注したと発表した。首都オスロおよび周辺地域の送電網強化プロジェクトに採用されるもので、ノルウェーにおけるSF₆ガスフリーGISの初導入となる。

スタットネットは、同国の人口増加や再生可能エネルギーの普及に対応するため、送電容量の60%増強を目指している。今回の導入は、2050年までのネットゼロ実現に向けた重要な一歩とされる。

SF₆ガスは優れた絶縁性能を持ち、パワーグリッド分野で広く使用されてきたが、温室効果ガスとしての地球温暖化係数がCO₂の24,300倍と極めて高い。大気中に漏出した場合、1,000年以上残存することから、近年は環境負荷の低い代替技術への移行が国際的に進んでいる。

EconiQ GISは、SF₆ガスを持続可能な混合ガスに置き換えることで、従来の性能を維持しつつ、ライフサイクル全体での温室効果ガス排出量およびコストの低減を可能にする。

日立エナジーは、スタットネットとの長年の協業関係のもと、電力品質ソリューションなどの提供を通じてノルウェーの電力インフラを支えてきた。今回の受注は、再生可能エネルギー推進と送電網の持続可能性向上に向けた両社のビジョンを象徴するものと位置づけられる。

同社グリッドインテグレーション事業部門責任者のニクラス・パーソン氏は、「先進技術とシステム統合力を活用し、ノルウェーのネットゼロ実現とエネルギー転換を加速させる」とコメントしている。

日立エナジーは、スイス・チューリッヒに本社を置き、世界60カ国以上で事業を展開。高電圧機器や変圧器、パワーエレクトロニクスなどの技術で、脱炭素社会の実現に貢献している。

 スペルなど詳細は、ニュースリリース参照願います。