大成建設と伊藤忠エネクスは5月27日、国内の建設現場で初めて、軽油の代替となる環境配慮型燃料「RD40」を導入したと発表した。大阪市内で建設中の「(仮称)本町四丁目プロジェクト」で運用を開始し、建設機械や車両から排出されるCO2を約40%削減することを目指す。
■国内建設現場でCO2削減に挑む新燃料「RD40」 今回導入された**「RD40」は、軽油に再生可能な油などから作られたバイオ燃料「リニューアブルディーゼル(RD)」を40%配合した燃料。この燃料を使用することで、CO2排出量を40%削減できるという。大成建設は、施工時のCO2排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボン・コンストラクション」**を掲げており、軽油代替燃料の導入を進めてきた。
■法的手続きを簡素化し、全国展開へ
「RD40」は、法律上、軽油と同様に取り扱うことが認められている点が大きな特長だ。これにより、都道府県知事への事前申請や「譲渡証」の携行といった特別な手続きなしに公道を走行できるため、建設現場間の移動や給油拠点の制限が緩和され、適用範囲の大幅な拡大が期待される。また、軽油と混ぜて使用できる利便性も高い。
伊藤忠エネクスは、「RD40」の安定供給のため、大阪府貝塚市に配送拠点を設け、タンクローリーによる巡回給油サービスを開始した。
■作業環境改善にも貢献
「RD40」は、CO2排出量削減だけでなく、排ガス中のNOx(窒素酸化物)やPM(浮遊粒子物質)も軽油より少なく、施工中の作業環境や周辺環境への影響を軽減する効果も期待されている。
両社は今後、関東圏での導入も視野に入れ、全国の建設現場での「RD40」活用体制の構築を進める方針だ。この取り組みを通じて、脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。
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