イリノイ州モリーン発=2025年5月23日、米農機大手ジョンディア(Deere & Company)は23日、ミネソタ州セントポールに本社を構える農業向け遠隔画像ソリューションの大手、センテラ(Sentera)社を買収したと発表した。これにより、ジョンディアは自社のテクノロジー製品の機能を強化し、農業現場におけるデータ活用の幅を一層広げる。
センテラ社の高度な画像処理技術とソフトウェアは、ジョンディアが展開する「ジョンディア・オペレーションセンター」と統合され、農家や農業サービス業者がリアルタイムで圃場の状況を把握し、意思決定を支援するための新たな洞察を提供する。これにより、収益性や効率性、持続可能性の向上が期待される。
ジョンディアのデジタルソフトウェア&ソリューション部門ディレクター、クリス・ウィンクラー氏は「センテラの優れた技術と人材を迎えることで、より少ない労力でより多くの成果を引き出す支援が可能になる」と語った。
センテラ社のカメラは主要なドローンプラットフォームと互換性を持ち、農家や作物調査担当者が高解像度データを迅速かつ効率的に取得することを可能にする。また、植物の健康評価やストレス要因の特定を支援し、カスタマイズされた除草剤処方「SMARTSCRIPT™ Weeds」を、ノズル単位で制御可能な散布機に配信することもできる。
同社のドローンは、圃場上空を高速飛行しつつ画像を取得。これらはセンテラのアプリケーションで処理され、特定の雑草の位置を特定するマップとして可視化される。作成された処方は、ジョンディアのオペレーションセンターを通じて散布機に無線送信される仕組みとなっており、薬剤の無駄を抑える効果が見込まれる。
また、この技術は雑草対策に限らず、生育の均一性、病害虫の発生状況など幅広い評価にも対応可能で、ジョンディアの技術導入段階に応じた柔軟なソリューション提供を支援する。センテラは、ジョンディアが展開する精密農業技術「See & Spray™」の補完的役割も担う。
ミネソタ州の農業協同組合Chandler Coopで農学担当ディレクターを務めるニック・アインク氏は、「ジョンディアとセンテラの技術統合により、圃場ごとに最適な対応が可能となり、顧客への提供価値を高められる」と評価した。
センテラは引き続き、ドローンメーカーへのカメラ供給や、農家、農学者、農産物小売業者などへの製品販売も継続する方針。また、ジョンディアのオペレーションセンターは他社製ドローン画像サービスとの連携も維持し、ユーザーの多様なニーズに応える。
センテラ社CEOのブライアン・ウェンガッツ氏は「ジョンディアは精密農業における業界のベンチマークであり、両社の協業は、信頼、実用的な洞察、拡張性あるプラットフォームの上に築かれる。より多くの農家の価値創出に貢献できる」と述べた。
スペルなど詳細は、ニュースリリース参照願います。
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