調味料メーカーのコーミ(名古屋市東区)は5月27日、愛知県豊橋市に新工場を建設することを発表し、同日着工した。老朽化が進む犬山工場(愛知県犬山市)の生産機能は、2026年5月をめどに新工場へ段階的に移管される見込み。新工場は生産効率向上と事業継続性の強化を図るとともに、地域と連携した「コミュニケーション拠点」としての役割も担う。
コーミが新工場を建設するのは、既存の豊橋工場(豊橋市西山町)に隣接する敷地。同社はこれまで、ウスターソースなどを製造する犬山工場と、トマトケチャップなどを製造する豊橋工場の2拠点体制で生産を行ってきた。新工場の稼働により、将来的には生産拠点が豊橋エリアに集約される形となる。
今回の新工場建設の背景には、創業75周年を迎える同社の持続的成長への強い意思がある。特に、犬山工場の設備老朽化が喫緊の課題となっており、最新鋭の設備を導入する新工場への移管は、生産の安定化と効率化に不可欠と判断された。
同社は新工場を単なる生産拠点としてだけではなく、**「50年後もこいくちソースを提供するために」という企業理念のもと、消費者や地域社会との接点を強化する場としても位置付けている。豊橋市はトマトの産地としても知られており、地元産の加工用トマトの活用や、農家との連携強化を通じて、国産加工用トマトの自給率向上にも貢献していく方針。
2025年7月に創業75周年を迎えるコーミにとって、この新工場建設は次なる成長に向けた重要な節目となる。効率的な生産体制の確立と品質管理の向上はもちろん、地域に根差した企業としての役割を深化させることで、さらなるブランド力の向上と市場競争力の強化を目指す。新工場の詳しい生産品目や投資額、本格稼働時期については、今後発表されるとみられる。
<新工場 建設概要>
所在地:愛知県豊橋市三弥町字新大口 1 番 8 号
敷地面積:10,665.30平方メートル
延床面積:7,849.11平方メートル (建築面積:5,505.54平方メートル)
投資額:42億円(予定)
着工:2025年7月
操業開始: 2026年9月(予定)
生産品目: デラックスこいくちソース、焼そばソースを中心としたウスターソース類(操業開始時)
生産能力: 30トン/日(500ml デラックスこいくちソース 6万本、3000cs相当)
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