コマツ、バッテリー対応電動トラックでトロリーの自律走行化を達成、鉱業の脱炭素化を加速

 Komatsu(コマツ北米サイト):2025年5月22日

 コマツは、自律走行技術の開発を進める中で、動力を問わない電動駆動式ダンプトラックをトロリーラインに接続した状態で自律運用することに成功した。鉱業界において、自律走行トラックへ動力供給を行うトロリーシステムの運用は初の事例となり、業界の脱炭素化に向けた重要な一歩となる。

■トロリーシステムによる電動化の進展
 コマツの「トロリーアシストシステム」は、鉱山運営における二酸化炭素排出削減、エンジン寿命の延長、ゼロエミッション達成に向けたソリューションとして導入されている。ダンプトラックが登坂時に架空電線に接続することで電力供給を受ける仕組みであり、燃料消費を抑えつつ、標準的なディーゼル駆動車両と比較してエネルギー効率を向上させる。

 今回の成果は、コマツの「FrontRunner自律走行運搬システム」と組み合わせることで、さらなる燃料削減と生産性向上を可能にするものである。業界初の試みとして、移動中の自律走行ダンプトラックに電力供給を成功させたことは、コマツの電動化・自律化技術の進展を象徴するもの。

■鉱業の未来を支える技術革新
 コマツのグローバルビジネス開発部門で自律システムを統括するMartin Cavassa(マーティン・カヴァッサ)氏は、「動的な電力供給とトロリー機能を自律走行に統合することで、鉱業の脱炭素化に向けた取り組みが加速する。ドライバー不在の状態で走行するトラックにスムーズに電力供給できることは、電動化の道筋を示す大きな成果だ」と述べた。

 コマツは2008年に「FrontRunner」を立ち上げ、世界初の商用自律運搬システムを導入。現在では、875台以上の自律走行トラックが稼働しており、累計で100億トン以上の鉱物を運搬している。特に、大型ダンプトラック「980E」(最大積載量363トン)との連携により、効率的な資源運搬が実現している。

■持続可能な鉱業に向けたコマツの戦略
 今回の技術革新は、鉱業界の持続可能な成長を支えるための一環であり、コマツの統合ソリューションの提供姿勢を示すものだ。電動駆動トラックの実績と「FrontRunner」の自律走行機能を組み合わせることで、鉱山運営の生産性向上、所有コストの削減、環境負荷低減に貢献する。

■コマツについて
 コマツは、建設、鉱山、フォークリフト、産業機械、林業市場向けの技術、機械、サービスを開発・提供している。1世紀以上にわたり、コマツは製造と技術革新を通じて顧客に価値を提供し、人々、企業、そして地球が共に繁栄する持続可能な未来を実現するために、他社とのパートナーシップを築いてきた。世界中の最前線にある産業界は、近代的なインフラ整備、必須鉱物の採掘、森林管理、そして消費財の製造において、コマツのソリューションを活用している。同社の世界的なサービスおよび販売代理店ネットワークは、パフォーマンスの最適化に努めながら、安全性の向上と生産性の促進に役立つよう顧客の業務をサポートする。

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