YUSHIN(旧・ユーシン)が5月15日に発表した20年3月期連結決算は、売上高が前期比10.6%増の261億2,600万円となり増収を達成した。積極的な人材投資に伴う人件費増加があったものの、売上高の増加に支えられ、営業利益は同6.1%増の25億8,600万円となった。しかし、為替差損の発生が響き、経常利益は同2.0%減の25億3,500万円。親会社株主に帰属する当期純利益は同0.0%増の16億9,200万円と横ばいにとどまった。
製品別では、主力製品のロボットが前期比7.4%増の145億900万円と堅調に推移。特注機は前期比16.8%増の68億7,200万円と大幅に伸長した。部品・保守サービスも前期比12.2%増の47億4,500万円となった。
■セグメント別業績
* 日本: 売上高は前期比15.8%増の170億円、営業利益は同39.2%増の21億6,500万円と好調。
* 米国: 売上高は前期比14.0%減の40億800万円と減少。営業利益は5億4,200万円の黒字から1億1,700万円の営業損失に転落。
* アジア: 売上高は前期比16.6%増の54億100万円、営業利益は同38.1%増の3億8,600万円と大幅な増益を記録。
* 欧州: 売上高は前期比17.2%増の55億7,400万円と増加したものの、営業利益は同69.7%減の7,300万円と大きく落ち込んだ。
◾️2026年3月期連結業績見通し
2026年3月期の連結業績は、世界経済の不透明感や為替動向、地政学的リスクを背景に、減収減益を見込んでいる。売上高は前期比4.3%減の250億円、営業利益は同14.9%減の22億円、経常利益は同13.2%減の22億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同11.4%減の15億円を予想している。
しかしながら、同社は中長期的な労働安全性への配慮や生産効率向上、人手不足解消を目的とした生産自動化の流れは世界的に継続すると見ており、引き続きグローバル営業展開の強化、商品力の強化、新規事業の開拓、そして人的資本への積極的な投資を進める方針である。特に取出ロボットにおいては、スウェーデンのWEMO Automation ABを足がかりに欧州でのシェア拡大を図るほか、パレタイジングロボットや特注機の販売拡大にも注力すると表明した。
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