豊田自動織機、自動運転トーイングトラクター意匠で「内閣総理大臣賞」受賞

・空港の未来を拓く革新的デザインに高い評価

 豊田自動織機は5月27日、公益社団法人発明協会が主催する「令和7年度全国発明表彰」において、同社が開発を進めるレベル4自動運転トーイングトラクターの意匠が最高位に次「内閣総理大臣賞」を受賞したと発表した。同社としては初の快挙となる。

 今回の受賞は、空港での手荷物や貨物搬送を担う自動運転トーイングトラクターに搭載される多様なセンサー類と、車両全体の美的要素を高度に調和させた機能的意匠が高く評価されたもの。受賞者には、トヨタL&Fカンパニー製品企画部の森博樹氏、藥師忠幸氏の両名が名を連ねた。また、伊藤浩一社長には、発明実施功績賞が贈られた。

 この自動運転トーイングトラクターは、3次元LiDARや路面パターンマッチング、GNSSといった先進技術を複数組み合わせ、冗長化された自己位置推定機能により、多様な環境下での安全かつ正確なレベル4自動運転を実現する。豊田自動織機は「これらの高度な技術を美しい外観にまとめ、働く人だけでなく、空港を訪れる人にも明るい未来を感じてもらえることを狙った」と説明している。

 同社は、空港業務の持続的な発展に貢献するため、2025年中の自動運転トーイングトラクターの実用化を目指し、取り組みを加速させている。昨年7月には、国内で初めて空港制限区域内におけるレベル4自動運転無人貨物搬送の試験運用を実施しており、その実績も今回の受賞を後押ししたとみられる。

 豊田自動織機は、1926年の「恩賜記念賞」受賞以来、数々の栄誉に輝いてきた歴史を持つ。今回の「内閣総理大臣賞」受賞は、同社の技術力とデザイン力が社会課題解決に貢献する新たな価値創造へと繋がる、大きな一歩となる。

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