AIRMAN、2027年度までの中期経営計画を策定、売上高700億円を目指す

 建設機械メーカーのAIRMAN(旧・北越工業)は5月23日、2025年度から2027年度にかけての中期経営計画「中期ビジョン2027」を策定したと発表した。北米市場を中心に拡大し、海外建設機械ルートの売上拡大を図るとともに、国内産業機械ルートを新たな成長の柱と位置付ける。

 同計画では、2028年3月期の売上高700億円を目標に掲げる。2025年3月期の売上高は548億円、営業利益は69億円となっており、今後3年間で利益率向上を図る。特に北米市場では、販売代理店との協力を強化し、大手広域レンタル会社への供給拡大を進める。また、オセアニアやアジア市場への展開も視野に入れ、ブランドの多角化を図る。

 成長戦略としては以下の3つを軸に展開する:
1. 北米市場での成長加速
品質の高さを武器に、大手レンタル会社との取引拡大を進める。販売代理店との連携を強化し、販売網の拡充を図る。北米市場の需要回復に伴い、生産能力の増強も計画している。

2. オセアニア・アジア市場の開拓
オセアニアではエンジンコンプレッサ市場で成長の余地があり、第2ブランドを活用した拡販戦略を実施。アジア市場では、特にフィリピンやインドネシアでのシェア拡大を目指し、差別化製品の導入を進める。

3. 国内産業機械ルートの強化
モータコンプレッサを起点に、産業機械分野での販売強化を図る。エンドユーザーとの直接的な関係構築を進め、メンテナンス収益の拡大を通じて利益率向上を狙う。

 財務戦略では、設備投資やM&Aを含む事業ポートフォリオ再構築に98億円を投じる方針。株主還元として、総還元性向を70%とし、配当と自己株式の取得を組み合わせる。今中期計画を通じて長期ビジョン「AIRMAN VISION 2030」に向けた体制を整備する。

 今回の経営方針により、成熟する国内市場において収益を安定化させるとともに、海外市場での成長を加速させる構え。

 中期ビジョン2027