VDMA (ドイツ機械工業連盟):2025年5月22日
ドイツの機械・プラント建設業界は、2025年第1四半期に輸出実績が低調なスタートを切った。輸出額は488億ユーロで、前年同期比3.6%減、実質では5.4%減となった。しかし、3月にはわずかながら上向きの傾向が見られ、輸出額は179億ユーロと名目値で前年同期を1.3%上回った。これは2024年夏以来初めての明るい兆しと言える。ただし、価格調整後の実質値では0.4%減と、依然としてわずかにマイナス成長が続いている。
ドイツ機械工業連盟(VDMA)のチーフエコノミストであるJohannes Gernandt(ヨハネス・ゲルナント)博士は、「3月の結果は、輸出の下降傾向がやや弱まることを期待させるものだが、安心できる状況ではない」と指摘する。「中国市場とEUパートナー諸国の低迷は依然として深刻だ。」
■地域別市場:力学の変化
第1四半期におけるEU27カ国への輸出は5.6%減少し、特にフランスは14.6%減と最大の落ち込みを見せた。その他のヨーロッパ諸国への輸出も概ね低調であった。北米への出荷は3.9%減少し、最大の単一市場である米国も4.4%減となった。
東アジアでは引き続き低迷が続き、特に中国への輸出は12.2%と大幅な減少を記録した。
一方で、一部の新興地域への輸出は好調に推移した。中東への輸出は13.4%増、東南アジアへは5.3%増となり、アフリカ、中央・南アジア、ラテンアメリカへの輸出も顕著に増加した。
ゲルナント博士は「これまでそれほど注目されていなかった市場の重要性が増している。この動きはチャンスだが、新たな貿易協定の締結や、資金調達・市場アクセスにおけるより多くの支援といった、的を絞った政治的支援が必要だ。米国は我々にとって最大の単一市場だ。新たな貿易障壁は時期が悪い。機械工学分野には開かれた市場が必要であり、政治的な妨害は不要だ。」と述べた。
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