カヤバ(KYB)は5月20日、2025年3月期(2024年度)の決算説明資料を公開、うちHC((ハイドロリックコンポーネンツ:主に油圧機器)事業は、攻めの構造改革を推進し、収益改善と成長機会の最大化を目指すとしている。
カヤバの2024年度決算説明資料によると、同社のHC(ハイドロリック・コンポーネンツ)事業は、建設機械市場の低迷を受け、2024年度は減収減益となったものの、2028年に向けた「攻めの構造改革」を推進し、収益改善と成長機会の最大化を目指す方針を示している。
■2024年度HC事業の概況
HC事業の2024年度売上高は1,162億円となり、前年度の1,344億円から183億円の減収を記録した。この減少は、主に産業用油圧機器の需要落ち込み(前年度比182億円減)に起因する。セグメント利益も、前年度の54億円から17億円へと37億円の大幅な減益となった。これは売上・変動費要因で77億円のマイナス影響があったためである。
油圧ショベルの需要は2021年から2022年をピークに減少傾向にあるものの、今後は緩やかな回復が見込まれている。しかし、中国市場の減退が続いた場合、中国系メーカーの海外シフトが進み、同事業に影響を及ぼす可能性も指摘されている。
■今後の方向性:「攻めの構造改革」を推進
カヤバはHC事業の収益安定化と成長に向け、「守り」と「攻め」の二軸で構造改革を断行するとしている。
* 市場競争力の強化(守り): シリンダや走行モーターといった製品群においては、コスト競争力のある拠点への生産移管を進め、生産の最適化を図る。また、徹底した原価低減により、収益性の改善を目指す。
* 成長機会の最大化(攻め): ポンプやバルブなど、成長が見込まれる製品群では、高機能化・軽量化を進め、製品ラインナップの充実と拡販に注力する。さらに、海外戦略の検討を進め、新規顧客の獲得を通じた事業拡大を目指す。
これらの構造改革により、HC事業は2028年には売上高を200億円増加させ(システム製品含む)、利益率を現在の1.5%から4%へ改善する目標を掲げている。
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