HD現代建機、蔚山工場をスマート工場に刷新、生産能力56%増、年間1万5,000台体制へ

 HD Hyundai Construction Equipment(HD現代建機):2025年5月20日

 韓国・蔚山市-—HD現代建機は5月20日、韓国・蔚山市東区の蔚山工場をグローバル生産拠点となるスマート工場として稼働させた。同社は老朽化した施設の近代化と生産能力の増強を目指し、約2,000億ウォン(約200億円)を投じ、この変革プロジェクトを推進してきた。

 式典にはHD現代のクォン・オガプ会長、チョン・ギソン上級副会長、HD現代XiteSolutionのチョ・ヨンチョルCEO、HD現代建機のチェ・チョルゴンCEOをはじめ、国内外のディーラー、パートナー、顧客ら400人以上が出席した。

■2,000億ウォン投資で生産効率大幅向上
 2023年より「高度化プロジェクト」と銘打たれた今回の刷新は、23万4,710平方メートル(約7万1,000坪)の広大な敷地にある第1工場と第2工場を統合。生産ラインの拡張・再編、品質保証センターと新受入棟の建設、新オフィス棟の設置など、多岐にわたる改修が行われ、蔚山工場は名実ともにスマート工場へと生まれ変わった。

 HD現代建機は、統合された工場システムの下で生産と物流を合理化し、リアルタイムの製品追跡システムを導入することで、ワークフローを最適化し、効率を最大限に高めた。溶接ロボットとビジョンセンサーを搭載した車体溶接ラインは生産性と品質の一貫性を向上させ、無人搬送車(AGV)とAIベースの品質検査システムの導入は自動化を一層推進する。

 これらの取り組みの結果、労働生産性は約20%向上し、各製品の完成にかかる時間は約35%短縮される見込み。また、中・大型油圧ショベルおよびホイールローダーの年間生産能力は、従来の9,600台から56%増の1万5,000台へと大幅に引き上げられた。

■グローバル生産の「マザープラント」へ
 HD現代建機は、スマート工場へと変貌を遂げた蔚山工場を「マザープラント」と位置づけ、グローバル生産のハブとして発展させていく計画。米国や欧州に点在する主要な海外生産子会社やカスタマイズセンターとの連携を強化し、世界全体の生産ネットワークの中核を担う。

 HD現代のクォン・オガプ会長は、「スマートで安全な生産システムへと変革された新工場は、先進技術と環境持続可能性を統合した、世界をリードする生産拠点となることを目指す。我々は国家の代表として、自信を持って世界市場で競争できる製品を生産するという使命を胸に刻まなければならない」と力強く述べた。

 HD現代建機のチェ・チョルゴンCEOは、「蔚山工場がスマート工場に生まれ変わったことで、品質競争力が飛躍的に向上した。次世代モデルを含め、建設機械分野を牽引する最高級の製品を提供することに尽力する」と語った。

 同日、HD現代建機は「スマート工場初号機出荷式」も開催。2025年ソウルモビリティショーで初公開された40トン級油圧ショベルや、125トン級超大型油圧ショベル、35トン級大型ホイールローダーなど計5台を、韓国、米国、欧州、中国、インドネシアの主要ディーラーに出荷した。

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