インド・アーメダバード—-ホンダのインドにおける二輪車生産・販売現地法人であるホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド(HMSI)は5月22日、グジャラート州アーメダバード地区ヴィッタルプールにある第四工場に新たな生産ラインを新設すると発表した。2027年の稼働を予定しており、年間65万台の生産能力が加わることで、同工場全体の年間生産能力は261万台となり、ホンダの世界における二輪完成車組み立て工場としては最大規模となる。
■生産能力大幅拡大、雇用創出へ
HMSIは現在、インド国内に4つの生産工場を保有し、合計年間生産能力は614万台に上る。2001年の生産開始から25年目を迎える今年4月には、累計生産台数7,000万台を達成するなど、インド二輪車市場で確固たる地位を築いている。
今回の拡張は、約92億ルピー(日本円で約161億円)を投じて実施される。新設される第四ラインでは、主に125ccクラスの二輪車が生産される予定。これにより、約1,800人の新規雇用が創出される見込みで、地域経済への貢献も期待される。
HMSIの第四工場は2016年2月に年間生産能力60万台で稼働を開始。同年6月には第二ライン、2024年1月には第三ラインが稼働し、現在の生産能力は年間196万台となっている。今回の第四ラインの追加により、2027年には第四工場だけで年間261万台の生産が可能となり、ホンダにとって世界最大の二輪完成車組み立て工場となる見込みだ。
■HMSI全体の生産能力も700万台に迫る
今回の第四工場の拡張に加え、HMSIは他の工場でもさらなる生産能力の拡大を計画しており、HMSI全体の年間生産能力は現在の614万台から2027年には約700万台に達する見通し。
HMSI社長の大谷 包氏は、今回の発表にあたり、「ホンダは、世界最大の二輪市場であるインドにおいて、長きにわたりお客様の喜びの拡大を目指して投資を続け、生産能力を拡大してまいりました。25年目を迎える今年、皆様のご支援の下、HMSIは累計生産7,000万台の節目を迎えることができました。今回の第四工場における追加投資により、ホンダにご期待・ご信頼いただいている世界中のお客様へ、魅力ある商品とサービスをお届けし、インド二輪事業のさらなる盤石化を進めていきます」とコメントした。
<ホンダモーターサイクルアンドスクーターインディアプライベート・リミテッド 概要>
* 設立: 1999年8月(生産開始:2001年5月)
* 本社所在地: ハリアナ州グルグラム地区IMT マネサール
* 資本金: 31億ルピー
* 出資比率: 本田技研工業株式会社 97%、Asian Honda Motor Co., Ltd. 3%
* 代表者: 社長 大谷 包
* 事業内容: 二輪車の製造・販売
* 現在の年間生産能力:
* 第一工場(ハリアナ州 グルグラム地区 マネサール):38万台
* 第二工場(ラジャスタン州 アルワル地区 タプカラ):130万台
* 第三工場(カルナータカ州 ベンガルール地区 ナルサプーラ):250万台
* 第四工場(グジャラート州 アーメダバード地区 ヴィッタルプール):196万台
* 生産機種: ガソリン車各種、電動二輪車(ACTIVA e:、QC1)
* 従業員数: 約2万3,000名