NTNは5月21日、連結子会社であるNTN EUROPE S.A.(本社:フランス・アヌシー)が、チュニジアの自動車用ショックアブソーバー製造会社であるLa Tunisie Mecanique S.A.(以下、LTM社)に5月19日付で資本参加したと発表した。この動きは、NTNグループが中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalで掲げる重要施策の一つ、自動車アフターマーケットビジネスの販売拡大を強力に推し進めるものだ。
アフターマーケット戦略の加速
NTNグループは、欧州・アフリカ地域における自動車アフターマーケットビジネスの強化を目的として、2024年よりNTN EUROPE内に本部機能を設置。商品ラインナップの拡充と販売網の強化を進めてきた。
今回のLTM社への資本参加は、その戦略の中核をなすものだ。NTNが世界トップクラスのシェアを誇るドライブシャフト、アクスルベアリング、ストラットベアリングといった「コーナーモジュール商品」と関連の深いショックアブソーバーを、新たな主力商品としてアフターマーケットに投入する。
■設計から品質管理までLTM社との連携を強化
LTM社への出資により、NTNグループは単なる販売提携に留まらない。ショックアブソーバーの設計、生産、品質管理に至るまで深く関与し、メーカーとしてのブランド優位性を確立する狙いだ。これにより、自動車アフターマーケット市場におけるショックアブソーバーの認知度向上とイメージ強化を通じて、販売拡大を目指す。
NTNの今回の戦略は、ベアリング分野で培った技術力とグローバルな販売網を活かし、自動車の足回り部品全体へと事業領域を広げるものと言える。
<LTM社 概要>
* 社名: La Tunisie Mecanique S.A.
* 事業内容: ショックアブソーバーの開発・製造、販売
* 設立: 2010年
* 出資比率(NTN出資後): Mechatech Holding 55%、NTN EUROPE 35%、創業者家・従業員など 10%
* 本社所在地: Imm. Al Badr, rue du Lac Mälaren Les Berges du Lac 1053 Tunis, Tunisia
<NTN EUROPE S.A.について>
* 社名: NTN EUROPE S.A.
* 事業概要: 自動車、航空機など各種産業機械向けベアリング(軸受)の開発・製造、販売
* 本社所在地: 1, rue des Usines, BP 2017, 74010 Annecy Cedex, France
* 代表者: Dominique LAVILLA