自動車・半導体向け生産設備大手の平田機工は5月9日、2025年3月期の連結業績を発表した。売上高は884億83百万円(以下、前期比6.8%増)、営業利益は68億98 百万円(14.1%増)、経常利益は68億89 百万円(10.1%増)、純利益は47億78 百万円(10.0%増)と、いずれも増収増益を記録した。
平田機工2024年度データ
■セグメントの状況
<自動車関連>
EV市場の需要拡大が鈍化傾向にある中、同社グループでは、バッテリー充放電関連設備を前期から継続的に受注するなど、EV向け生産設備の売上高が底堅く推移したことで、売上高・利益ともに堅調に推移した。また、内燃機関向け生産設備の売上高も好調を維持しており、前期から増加した。 この結果、売上高430億59百万円(16.4%増)、営業利益は41億94百万円(154.0%増)となった。
<半導体関連> 生成AI(人工知能)の普及などによって半導体需要が回復基調にある中、ウェーハ搬送設備の売上高は堅調に推移した。利益面では、採算性の高い案件が減少したことや一部製品に対して保証費用を引き当てたことで、前期から減益となった。この結果、売上高は301億86百万円(10.2%増)、営業利益は28億57百万円(35.8%減)となった。
<その他自動省力機器>
フラットパネルディスプレイ(FPD)関連やタイヤ等の物流関連の売上高が前期から減少したことにより、利益も低調に推移した。この結果、売上高は130億96百万円(18.6%減)、営業損失は1億1百万円(前期は1億19百万円の営業利益)となった。
■今後の見通し
次期見通しについては、ウクライナ情勢や中東地域の紛争長期化に伴う地政学リスクの高まり、中国経済の低迷、米国の関税政策の動向等により、景気の先行きが見通せない状況が継続すると思われる。
自動車関連では、各メーカーのEV投資に減速感があるものの、内燃機関やEV向けバッテリーへの継続的な設備投資が見込まれている。半導体関連では、生成AI関連や車載用途の需要が牽引し、今後も市場が拡大すると見込んでいる。
このような状況のもと、同社グループは、新中期経営計画(2025-2027年度)をスタートさせ、「半導体関連事業における事業規模の拡大」、「受注生産ビジネスにおける収益性の強化」、「収益基盤のさらなる強化」、「量産ビジネスの拡大」、「新規ビジネスの事業部化」の5つの施策に取組んでいく。
2026年3月期の連結業績予想については、売上高960億円(前期比8.5%増)、営業利益84億円(前期比21.8%増)、経常利益82億円(19.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益57億円(19.3%増)を見込んでいる。
なお、米国の関税政策については、業績に与える影響を合理的に見積もることが困難なため、連結業績予想には織り込んでいない。
平田機工の2025年3月期決算短信
決算説明資料
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