油研工業、24年度売上は13.5%増の335億円、25年度予想は3.9%減の322億円

・長期ビジョン&中期経営計画も発表

 油研工業が5月14日に発表した2025年3月期(2024年度)連結業績によると、売上高は334億9千6百万円(以下、前期比13.5%増)、営業利益は19億2千万円(39.3%増)、経常利益は19億2千3百万円(20.0%増)、親会社株主に掃する当期純利益は12億4千9百万円(59.0%増)となった。
 2024年度における世界経済は、ウクライナ情勢や中東情勢の長期化・緊迫化、原材料・資源価格の高騰、中国経済の停滞、米国の政治・経済政策の不確実性等、予断を許さない状況となった。我が国経済においては、インバウンド要の回復や雇用・所得環境に改善が見られる等、級やかな回復基調が続いたものの、円安基調の継続、資源価格の高騰、物価上昇等、依然として先行きは不透明な状況となっている。
 なお、連結子会社であるユケン・インディア LTD.の子会社であり、非連結、特分法非適用であったGROTEXENTERPRISES PRIVATE LIMITEDを当連結会計年度より連結子会社としている。

 油研工業2025年3月期データ

■今後の見通し
 今後の見通しについては、米国の政治・経済の不確実性、中国の成長鈍化、欧州各国における政治動向、地政学リスク等の不確定要素をかかえており、依然として予断を許さない状況が続くことと見込まれている。
 このような状況のもとで、次期(2026年3月期)の連結業績見通しについては、日本においては底堅い需要に支えられた売上確保、インド市場の堅調な設備投資の取り込みを見込む一方、中国市場は競合他社との価格競争の激化による売上減少が見込まれる。
 
 2026年3月期(2025年度)の連結業績については、売上高322億円(前期比3.9%減)、 営業利益18億円(6.3%減)、経常利益17億5千万円(9.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10億5千万円(15.9%減)を予想している。

 なお、トランプ関税については、直接的な響は少ないため、当該予想に絞り込んでいないが、これに端を発する世界経済の低迷における需要の低下が、同社グループの業績に響を与える可能性がある。

 また、同社は、2022年度を初年度とする「長期ビジョン~YUKEN GROUP VIS1ON2030~」を掲げ、油圧専業メーカとして品質と信頼で社会に貢献する真のグローバル企業に成長することを目指し、同ビジョンの実現に向けて中期経営計画を策定している。長期ビジョンは13か年を3期間(計9か年)として定め、中期経営計画は13か年を2期間(計6か年)として制定している。
 
 油研工業の2025年3月期決算短信
 長期ビジョン&中期経営計画(PDF)