加藤製作所は4月25日、同日開催の取締役会において連結子会社である KATO IMER S.p.A.(本社:イタリア・トスカーナ州、以下、KATO IMER 社)に対する 340万ユーロ(約 5億 5千万円)の追加出資及び、加藤製作所から同社取締役 1 名の増員をすることを決定したと発表した。なお、同取締役候補者の就任を含めた KATO IMER 社の新たな経営体制は、2025 年5月9日開催予定の同社定時株主総会で正式に決定する見込み。
■背景および実施理由
KATO IMER 社は、イタリア現地企業との合弁会社として 2002 年に設立(当時の名称は 、IHIIMER S.p.A.) 。以降、ミニショベルの生産・販売を中心に堅調な事業を続けていた。しかしながら足元での需要低迷や材料高騰等の影響により同社の収益は圧迫し、親会社である加藤製作所への債務も徐々に膨らんできている。
今回、合弁先と現在の出資比率(加藤製作所51.0%、合弁先 49.0%)に応じた減資を行うことで KATO IMER 社が抱える過去の繰越損失金を解消させたのち、加藤製作所からの出資金を原資に加藤製作所への支払い債務の解消を行うなど連結財務の健全化も進めていく。
なお、追加出資は加藤製作所単独で行い、実行後の KATO IMER 社における加藤製作所の出資比率は従前の 51.0%から 94.2%へと上昇する見込み。
本件は、加藤製作所が2025年3月に公表した中期経営計画で掲げた海外における成長戦略の一環として、欧州市場における競争力強化を目的に実施するもの。さらに本件と併せ、加藤製作所から取締役 1 名の増員を予定しており、中長期的な欧州市場での売上拡大に向け経営体制を強化していく。
<今後の日程>
2025年4月 25日:加藤製作所取締役会で KATO IMER 社への追加出資及び取締役増員決議
2025年5月9日 :KATO IMER 社 定時株主総会開催(増資及び取締役選任予定)
2025年5月 :合弁先との現契約解約及び KATO IMER 社の登記変更(予定)
■今後の見通し
本件が加藤製作所連結業績に与える影響は現時点では軽微なものと考えている。欧州市場は、環境規制の強化やサステナブルな建設機械ニーズの高まりにより、 成長が見込まれる重要なエリアとして加藤製作所では位置づけている。
今回の増資および経営体制の強化により、加藤製作所グループ企業としての意思決定を迅速化し、地域ニーズに即した製品・サービスの提供を実現していく。今後は、KATO IMER 社を中心に、欧州での開発・販売・サービス体制の見直しと機能強化を進め、中期経営計画で掲げた国内外市場での成長戦略を着実に推進していく。
<KATO IMER 社 会社概要>
名称 :KATO IMER S.p.A.
設立年 :2002年(イタリア現地企業との合弁会社として設立)
所在地 :イタリア共和国 トスカーナ州
資本金 :340万ユーロ(加藤製作所出資比率 51.0%)⇒減・増資後 385 万ユーロ(加藤製作所出資比率 94.2%)
事業内容 :ミニショベル等の製品及び部品の製造販売
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