・HC事業は13.5%減の1,162億円、25年度予想は2.2%減の1,136億円カヤバ(KYB)が5月12日に発表した2025年3月期(2024年度)連結業績によると、売上高は4,386億16百万円(以下、前期比1.0%減)、営業利益は226億71百万円(1.1%増)、税引前利益は219億89百万円(2.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は148億9,900百万円(5.8%減)となった。
2024年度における世界経済は、インフレ圧力の緩和により各国の個人消費が持ち直し、小売などの景況感が改善している一方、米国政府によるすべての国・地域を対象とする追加関税、相互関税の上乗せなどによる、先行きの不透明感から、消費の手控えや設備投資の減少を招き、景気減速のリスクが高まっている。 こうした中、わが国経済は、堅調なインバウンド需要や、個人需要の持ち直しによる消費下支えがあるものの、構造的な人手不足問題や、米関税の引き上げによる輸出の減少も予想され、先行きの見通しづらい経営環境が続いている。カヤバグループの事業に関しては、自動車関連では需要に底堅さが見られたものの、中米・欧州製造拠点での生産性の悪化等もあり、また建設機械関連では、中国市場を中心に北米、アジアでの需要も減少したことにより、2024年度は厳しい経営環境となった。
KYB(カヤバ)2025年3月期通期データ
■セグメント別の業績
<AC事業>(オートモーティブコンポーネンツ)> 同セグメントは、四輪車用油圧緩衝器、二輪車用油圧緩衝器、四輪車用油圧機器とその他製品から構成。
四輪車用油圧緩衝器は、国内自動車生産台数が減少したものの、欧州でのOEM製品の販売や東欧・中東市販市場での需要増加、円安による為替影響等により、売上高は2,279億円と前年度に比べ6.0%の増収となった。二輪車用油圧緩衝器は、国内や欧州での販売減少があったものの、中国での販売やインド市場での需要の増加により、売上高は438億円と前年度に比べ5.9%の増収となった。
セグメントの売上高は3,076億円と前年度に比べ5.0%の増収となり、セグメント利益は172億円と前年度に比べ7億円の増益となった。
<HC事業 >(ハイドロリックコンポーネンツ) 同セグメントは、産業用油圧機器、システム製品、その他製品から構成。
建設機械向けを主とする産業用油圧機器は、建設機械の中国市場での需要減少の継続に加え、北米やアジアでの需要低迷により、売上高は1,064億円と前年度に比べ14.6%の減収となった。
セグメントの売上高は1,162億円と前年度に比べ13.6%の減収となり、セグメント利益は17億円と前年度に比べ37億円の減益となった。
<航空機器事業 >
同セグメントは、航空機器用油圧機器から構成。
生産調整による出荷減少等により、売上高は37億円と前年度に比べ5.9%の減収となり、セグメント損失は4億円(前年度セグメント損失20億円)となった。
<特装車両事業及びその他>
同セグメントは、特装車両等から構成。
コンクリートミキサ車を主とする特装車両において、2025年1月にKYB-Conmat Pvt. Ltd.を連結範囲から除外した影響により、セグメントの売上高は108億円と前年度に比べ5.0%の減収となったものの、セグメント利益は13億円と前年度に比べ2億円の増益となった。
■今後の見通し
今後の見通しについては、世界各国における金融・関税等の政策などに伴う景気後退リスクや為替変動リスク等、先行きが不透明な状況にある。特に米国における関税措置が事業及び業績に与える影響については、現時点で見積もることが困難であるものの、同社グループが一時的に負担したコストを販売価格へ適時に反映できな
いコストの増加分として32億円を減益要因として業績予想に織り込んでいる。
2026年3月期(2025年度)の連結業績予想は以下のとおり。
売上高4,400億円(前期比0.4%増)、セグメント利益150億円(24.3%減)、営業利益225億円(同0.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益175億円(17.5%増)。
なお、業績予想における 為替レートについは、1USドル135円、1ユーロ155円を前提としている。
カヤバ(KYB)の2025年3月期決算短信
決算概要
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