クボタが5月9日に発表した2025年12月期第1四半期(2025年1~3月)の売上高は、前年同期比627億円(8.1%)減少して7,126億円となった。国内売上高は機械部門、水・環境部門の増収により、前年同期比106億円(6.9%)増の1,647億円となった。海外売上高は機械部門の減収により、前年同期比733億円(11.8%)減の5,479億円となった。営業利益は、主に機械部門での北米を中心とした減販損や、為替差損の増加などにより前年同期比413億円(40.2%)減の616億円となった。税引前利益は前年同期比430億円(40.5%)減少して631億円となった。法人所得税は149億円の負担、持分法による投資損益は1億円の損失となり、四半期利益は前年同期比311億円(39.2%)減の481億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を316億円(43.3%)下回る413億円となった。
クボタ2025年第1四半期データ
■部門別の概況
①機械部門 同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。部門の売上高は前年同期比10.3%減少して6,099億円となり、売上高全体の85.6%を占めた。国内売上高は前年同期比8.1%増の759億円となった。主に農業機械及び農業関連商品の増加により増収となった。海外売上高は前年同期比12.5%減の5,340億円となった。北米は想定通りの実績となりましたが、建設機械は前年の在庫充足による反動、トラクタはレジデンシャル、農用ともに市場が減速し前年同期比では販売が減少した。欧州では経済及び投資減速に伴う市場縮小の継続により主にトラクタ、エンジンで販売が減少したが、縮小幅は前年より和らいでおり、建設機械の一部では若干の回復の兆しも見られている。アジアは、タイでは主に前年に発生した洪水に伴う作物品質低下により畑作向け製品の販売は低迷したが、稲作向け製品は堅調で販売は前年並みとなった。インドでは十分な貯水量により収穫量、市場ともに堅調に推移し、販売も増加した。
セグメント利益は、主に北米での減販損や為替差損の増加により、前年同期比38.0%減少して620億円となった。
②水・環境部門 同部門はパイプシステム事業(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材事業(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境事業(各種環境プラント、ポンプ等)により構成。同部門の売上高は前年同期比9.3%増加して987億円となり、売上高全体の13.9%を占めた。国内売上高は前年同期比7.2%増の848億円となった。環境事業を中心に各事業売上が増加し増収となった。海外売上高は前年同期比24.5%増の139億円となった。主に産業機材事業での売上増加により増収となった。
セグメント利益は増販益や値上げ効果により、前年同期比65.9%増加して149億円となった。
③その他部門
同部門は各種サービス事業などにより構成。同部門の売上高は前年同期比16.6%減少して39億円となり、売上高全体の0.5%を占めた。当部門のセグメント利益は前年同期比55.7%減少して4億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2025年12月期の連結業績予想(下記)は前回発表時(2025年2月13日)から変更していない。なお、需要やコストなどは米国を中心とした関税政策の影響を受けることが想定されるが、現時点では政策動向が流動的であるため連結業績予想には織り込んでいない。
2025年12月期売上高は、3兆500億円(前期比1.1%増)、営業利益は2,800億円(同11.3%減)、税引前利益は2,970億円(同11.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,960億円(14.9%減)を見込んでいる。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=145円、1ユーロ=152円としている。
クボタの2025年12月期第1四半期決算短信
決算説明資料
コメントを投稿するにはログインしてください。