・通期連結業績予想は変更なし
DMG森精機 が5月7日に発表した2025年12月期第1四半期(1〜3月)連結業績によると、売上収益は1,140億円(前年同期比14.2%減)、営業利益は18億円億円(同85.5%減)、税引前四半期利益は3億7,300万円(同96.6%減)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は1億6,800万円(前年同期は△6,937百万円) となった。 第1四半期の連結受注額は、1,207億円となり、前四半期(2024年10-12月)比5.4%増と回復した。顧客からの引合いは一定数あり、需要は底打ちから徐々に回復しつつあると考えている。特に、大手企業のプロジェクトは計画通りに進められていることもあり、機械1台当たりの受注単価が、2024年度平均の71.0百万円から78.5百万円へと大きく伸長した。また、スペアパーツ、メンテナンス・リペア・オーバーホール、エンジニアリング部門の受注額は、連結受注額の25%と前年度同水準で安定的に推移した。
地域別では、ドイツを除くEMEAが前四半期(2024年10-12月)比13%増と順調に増加した。その他地域は、概ね同等水準を確保した。産業別の需要は、民間航空機、宇宙、発電機器・エネルギーを含むインフラ関連向けが堅調に推移している。
年度の連結受注見通しについては、期初計画通り前年度比6.9%増の5,300億円を見込んでいる。機械本体の受注残高は、2024年12月末の2,180億円から、2025年3月末には2,235億円へと増加した。この受注残を計画通り納入・売上計上し、当年度の売上計画達成を確実なものとしていく。
DMG森精機 は工程集約・自動化・DX・GXにより、顧客へより付加価値の高いソリューションを提供し生産性を向上させること、これにより環境負荷を低減させ持続可能な社会にも貢献するといった、MX(マシニング・トランスフォーメーション)を推進している。MX推進をさらに加速させ、サステナブルな社会へ貢献すると同時に、顧客とともに持続的成長を目指していく。
DMG森精機は、2025年3月に宮脇機械プラントの全株式を取得し、連結グループ化した。同社は、兵庫県をはじめ関西エリアを中心に、エンジニアリング提案力を強みとして工作機械やその他産業機械の販売で定評を得てきた機械加工システムの専門商社。DMG森精機のMX推進においては、優秀な自動化システムエンジニアやアプリケーションエンジニアの強化が不可欠。宮脇機械プラントは、これら優秀な人材を豊富に擁しており、DMG森精機 による連結グループ化により、MX戦略を通じて両社はより高い成長を実現できるものと確信している。また、4月に世界最大級の自動化システムソリューション工場として奈良事業所が開所した。奈良事業所では、一貫した生産体制で高品質な自動化システムをワンストップで提供しており、顧客工場での立ち上げまでのリードタイムの大幅な短縮が可能。また、厳格な入室規制や監視カメラの設置など高度なセキュリティ体制を確立しており、機密性が高い案件にも対応しています。環境面においては、工場屋根に設置された太陽光発電パネルによって工場内で使用するすべての空調と照明の電力をカバーし、サステナブルな生産を実現している。今後も、DMG MORIグループ全体における持続的な成長と企業価値向上のため邁進していく。
技術面では、グループ会社であるDMG MORI Digitalが新たに開発したDigital E3 Coreシリーズ「エッジAIボード」を当社の工作機械に搭載することが決定した。同製品は、カメラでの撮影とAI処理が可能な小型・省電力の組込CPU基板であり、振動や加工熱などが発生する工作機械にも設置可能。従来の別置き産業用パソコンと専用モータ制御基板を当製品に置き換えることで、省電力・省スペースを実現する。
人材育成の面では、2023年から全国の高等専門学校(以下、高専)と連携して実施している「デジタルものづくり実践講座」について、2025年春の開催が決定いたしました。本講座は、加工技術・生産技術の基礎を学びなが
ら、最新の工作機械、自動化システムを実際に操作して学習できる実践的なプログラムであり、2024年には全国19高専から約100名が参加した。
サステナビリティの面では、2025年2月に国際環境非営利団体CDPによる調査「CDP2024」において、気候変動分野での情報開示と取り組みの成果が高く評価され、最高評価である「Aリスト企業」に初めて認定された。水セキュリティ分野においても、水リスクの把握と管理体制、取り組みが評価され、昨年に引き続き「A-」の評価を獲得した。また、グループ最大の生産拠点である三重県伊賀事業所では、2025年2月より国内最大級となる自家消費型太陽光発電システムで全量の発電を開始した。これにより、伊賀事業所の年間電力需要の約30%を賄い、年間約6,000トンのCO2排出量を削減する。4月に開所した奈良事業所にも同様の発電システムを導入しており、今後はマグネスケール奈良事業所や新潟県長岡市のグループ会社においても太陽光発電開始を予定している。今後も再生可能エネルギーの活用拡大を図るとともに、持続可能な社会の実現に貢献していく。
人的資本経営の面では、2025年3月に健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄2025」に昨年に続き2年連続で選定された。また、経済産業省と日本健康会議により、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人2025」の大規模法人部門「ホワイト500」にも3年連続で認定された。DMG森精機 は12時間勤務間インターバルの義務化や健康管理増進センターの設立をはじめ、「DMG森精機 健康経営宣言」*の発表や、Webinar研修、運動・栄養教室の開催などを継続して実施している。 今後も「よく遊び、よく学び、よく働く」を経営理念に掲げ、従業員が健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでいく。
*「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標。
■2025年度の見通し
連結業績予想及び前提条件については、2025年2月5日の「2024年12月期 決算短信」で公表した通期の連結業績予想(下記)に変更はない。米国による相互関税の当期の業績への影響は軽微と判断している。
2025年12月期の業績(連結)の見通しは、売上収益5,100億円(前期比5.7%減)、営業利益380億円(同13.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円(同159.1%増)。
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