コマツ、新中期経営計画(2025-27年度)「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」をスタート

 コマツは4月28日、新たな3カ年の中期経営計画(2025-2027年度)「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」を4月よりスタートしたしたと発表した。

 コマツは、2021年の創立100周年を機に定めた存在意義と価値観のもと、「『品質と信頼性』を追求し、社会を含むすべてのステークホルダーからの信頼度の総和を最大化する」ことを経営の基本とし、事業活動を通じて社会の要請に応えていく企業姿勢をサステナビリティ基本方針として定めている。中期経営計画は、これらを実行する経営戦略として位置づけ、新たな価値創造を通じた社会課題解決と収益向上の好循環による持続的な成長を目指す。

 新中期経営計画では、コマツの価値観の一つである「Ambition 挑戦する」を意識し、顧客をはじめとしたステークホルダーと共に新たな価値の創造に果敢に挑戦し、グループ全体で成長を目指す。

 今回、コマツが目指すありたい姿を「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」と再定義した。スマートコンストラクション®やAHS(無人ダンプトラック運行システム)などのソリューションを更に進化させるとともに、それらと連動するより高度な機能を備えた製品の組み合わせにより、顧客の現場を最適化する新しい価値を提供していく。

 成長戦略では、①イノベーションによる価値共創、②成長性と収益性の追求、③経営基盤の革新という 3本柱を掲げている。ありたい姿からのバックキャスティングとともに、脱炭素社会への移行やデジタル技術の進展などの潮流をビジネス機会として捉えていく。また、地政学リスクや世界貿易における関税政策などで不確実性が高まる外部環境へのレジリエンスを高めていく活動も強化していく。

① 「イノベーションによる価値共創」
 ソリューション開発をさらに進化させるとともに、多様な動力源への対応や、より高度な自動化・遠隔化にむけて積極的に取り組む。

② 「成長性と収益性の追求」
 成長市場であるアジア、アフリカを中心に、地域別の商品力強化を進めるほか、バリューチェーンビジネスの拡大に取り組む。

③ 「経営基盤の革新」
 AI活用やDXを加速し、グループ全体の基幹システム刷新や代理店向けソリューションプラットフォームの開発・導入を中心に、経営インフラの強化に努める。

■経営目標
 財務項目では、引き続き業界水準を超える成長性、業界トップレベルの収益性を目指す。効率性を示すROE(自己資本利益率)についても、株主資本コストを上回る10%以上を目標として継続する。さらに収益を確保し成長投資を継続していく観点から今回新たにフリー・キャッシュ・フロー(FCF)を加え、3年累計で1兆円という目標を設定した。また、リテールファイナンス事業におけるD/Eレシオの目標を5倍以下から6倍以下に変更した。
 株主還元については、連結配当性向を40%以上とする方針を継続し、財務の健全性、株主資本比率を総合的に勘案して自己株式取得を適時に実施する。

 非財務項目では、引き続き環境負荷低減に関する2030年のCO2削減目標および2050年カーボン ニュートラルのチャレンジ目標を継続する。このほか、今回新たにダブル・マテリアリティの観点からコマツが取り 組むべき重要な社会課題を特定し、それらに関連する活動のKPI(30項目)を定めた。詳細は、9月に発行する統合報告書での開示を予定している。

 ニュースリリース

 新中期経営計画(PDF)