清水建設、半自動化した耐火被覆吹付ロボ「Robo-SprayII」を開発

・ロボットの生産性が2.5倍にアップ

 清水建設は4月18日、簡易操作で半乾式耐火被覆の吹付作業を代替するロボット「Robo-SprayII」を新たに開発したと発表した。一連の吹付け作業を半自動化した結果、生産性が手作業に比べ3倍近くに向上するという。

 Robo-SprayIIは、6軸のロボットアームを駆使して吹付ノズルを自在に操りながら、被覆材を万遍なく吹き付けるロボットで、アーム部、アーム部の高さを調整するリフター、リフターを搭載した台車から構成される。

 ロボットによる作業は、作業位置への横移動、センシング・位置合わせ、ロボットを固定するアウトリガーの張り出し、被覆吹付け、アウトリガーの折り畳みの順に進む。作業員は、初めに耐火被覆を吹き付ける鉄骨梁の形状をタッチパネルから選択、後は画面に表示される作業ボタンを都度タッチするだけで一連の作業が完結する。

 プロトタイプ「Robo-Spray」と大きく異なる点は、自動走行機能やセンシング結果に基づくロボットの自動位置補正機能を搭載したこと、タッチパネルによる簡易操作で一連の吹付け作業を実施できること、材料吐出量を人手による作業の1.5倍に増量したこと。

 この結果、多大な時間を要していた人手によるロボットの移設・位置合わせ作業がなくなり吹付け作業時間の割合が大幅に増加、同時に吹付けスピードがアップしたことから、ロボットの生産性が飛躍的に向上した。

 また、ロボットと耐火被覆供給プラントの連動による吹付け作業の安定化、スリーブ(設備配管貫通孔)を回避する吹付け作業による材料の無駄・清掃作業の削減も大きなメリット。
 
 都内の大規模病院の現場で実施した実証施工では、手作業による従来の吹付け作業と同じく作業員3人1組でロボットを操作。ロボット1台でコンスタントに約150m2/日を吹付けることができ、生産性がプロトタイプの約2.5倍に向上。また、3人1組でロボット2台を操作できるので、手作業による出来高約100m2/日に比べ生産性が約3倍に向上することが確認されている。

 清水建設は引き続き、反復・苦渋作業を代替する建設ロボットの開発に取り組むとともに、既開発ロボットのローコスト化を進め現場への展開を推進する。

 詳細は、ニュースリリース