・機械部品のオンライン調達サービスを提供
ミスミグループ本社 は4月17日、同日開催の取締役会において、米国子会社であるMISUMI Investment USA Corporation(以下、MIUC)を通じて、米国製造業におけるカスタム機械部品のオンライン調達サービスを提供するFictiv Inc.(以下、Fictiv社)を総額約3.5億米ドル(1米ドル143.23円換算で約501億円)で買収することを決議し、Fictiv社との間で買収に関する合併契約を締結したと発表した。
■買収の背景・目的
Fictiv社は2013年設立で、米国製造業におけるカスタム機械部品のオンライン調達サービスを展開している。米国・中国・インド・メキシコのグローバル4拠点、約400名の従業員を抱え、世界中に約250社の製造業のパートナーネットワークを保有し、カスタム機械部品のオンライン調達サービスプレーヤーとして近年成長を遂げている。Fictiv社の事業はミスミの展開するmeviy(メビー)事業と高い親和性があり、高度な技術力と顧客サービス体制、強力な顧客基盤を有している。
ミスミグループはインダストリアル・オートメーション(IA)産業の非効率を解消し、顧客の「時間価値」を高め、それによってミスミ、IA産業、社会が共に成長・発展する「成長連鎖経営」を志向している。メーカー事業と流通事業を併せ持つユニークな業態を生かし、これまでミスミが築いてきたIT、生産、物流の強固な事業基盤や、グローバル拠点網を活用しながら、顧客の確実短納期ニーズに応えることで世界の製造業を中心としたIA産業の発展に貢献してきた。こうした中でミスミは従前よりビジネスモデルのデジタルシフトに注力し、新商品・新サービスを順次リリースしてきた。その第一弾であるmeviyは機械部品の設計データ(3D-CADデータ)をアップロードするだけで、即時見積もり、最短1日出荷を実現するオンライン調達サービス。カスタム機械部品の調達時間を9割削減し、5年間で国内外17万ユーザーを獲得し、4年連続国内業界No.1のシェアを獲得している。このようにグローバルで多様化するデジタルニーズの獲得に取り組んできたミスミが、今後より一層の競争力強化と商品の安定供給、更なる成長の加速を企図し、今回の買収に至った。
買収の最大の狙いは、meviyをはじめとしたミスミのデジタルサービスの強化と同時に、顧客ドメインの拡大にある。Fictiv社を買収することによりミスミの提供する価値を従来の設備製造の領域からよりバリューチェーンの川上にあたる商品開発の領域まで一気に拡大し、持続的な成長への大きな起点としていく。ミスミとFictiv社は事業内容や価値観に類似性がある一方で、商品カテゴリーや展開地域においては異なる領域を得意とする補完関係にあることから、ミスミグループにFictiv社を迎え入れることにより、両社の強みを生かしたシナジー効果を発揮することができると考える。今後も、ミスミはグローバルにサービスを展開することでIA産業の非効率を解消し、顧客の「時間価値」を高めていく。
<Fictiv Inc.の概要>(2024年12月末日現在)
名称:Fictiv Inc.
オフィス住所:1611 Telegraph Avenue, Oakland, CA
代表者の役職・氏名:CEO David Evans、CXO Nathan Evans
事業内容:カスタム機械部品のオンライン調達サービス提供
資本金:189,365千米ドル
設立年月日:2013年8月19日
■ミスミとは
オートメーションの現場で必要とされる機械部品や、工具・消耗品などをグローバル31.8万社以上(2024年3月時点)に販売している。製造機能を持つメーカーと他社ブランド品を販売する商社としての顔を併せ持つ、ユニークな事業モデルとそれを支える事業基盤により、「グローバル確実短納期」を実現し、顧客の利便性向上に貢献している。
ニュースリリース
*リリース内容から「ですます調」で表記しています。