ミネベアミツミ、セブ工場の新棟着工、アナログ半導体の後工程の生産能力強化

・グローバルサウス補助金を活用し同工場内で最大規模の生産棟建設

 ミネベアミツミ(長野県北佐久郡御代田町)は4月11日、セブミツミ ダナオ工場(フィリピン共和国セブ島ダナオ市、以下、セブ工場)の生産能力拡張を目的に建設することを発表していた、同工場敷地内の新棟(14号棟)の起工式を、4月10日に執り行ったと発表した。

 ミネベアミツミのセブ工場は、1989年1月の操業開始以来拡大を続け、現在では、従業員約20,000人の規模の工場として、半導体の生産、カメラ用アクチュエータ、コネクタなど、ミネベアミツミの製品を幅広く手がけている。

 今回建設を開始したセブ工場の14号棟では、2階フロアに約8,000 ㎡のクリーンルームを構築し、新たに最先端の半導体薄型パッケージ用高生産性ラインを2027年から順次立ち上げ、既存棟の半導体生産エリアからも14号棟に生産を集約することで、セブ工場における半導体後工程の生産能力を現状比3倍に拡大する計画。1階エリアは当工場の将来の生産拡張スペースとして順次生産開始を予定している。

 さらに、将来的には14号棟の屋上に太陽光発電パネルを設置し、2023年10月よりセブ工場で稼働している約7.9MW-dcの太陽光発電装置とあわせて、ミネベアミツミグループのカーボンニュートラル実現の目標に向けた、脱炭素・環境負荷低減に関する取組みをより一層強化する計画。

 起工式には、セブ工場が属するフィリピン経済特区(PEZA)を管轄する経済特区庁のT.Panga長官、フィリピン半導体電子部品工業会(SEIPI)のD.Lachica プレジデント、在セブ日本国総領事館の松尾秀明総領事をはじめとする来賓が臨席、工事を起工する鍬入れや安全を祈願するとともに、フィリピン式に竣工を願うカプセルの埋設作業が行われた。

 なお、今回の14号棟の新設、および14号棟内の半導体生産ラインの構築は、経済産業省が設定している「グローバルサウス未来志向型共創等事業(大型実証ASEAN加盟国)」における「アナログ半導体後工程(パッケージ)の生産革新実証事業」として採択されている。ミネベアミツミグループでは、同事業の補助金を活用し、後工程の内製化を進めるとともに、日本とフィリピンにおける生産能力拡大と競争力強化を両立させることで、さらなるサプライチェーンの強靭化を図る方針。

<セブミツミ ダナオ工場概要>
所在地:MRI Special Economiczone Sabang, Danao City Cebu, Philippines 6004
操業開始:1989年1月
延床面積:100,456 ㎡
活動概要:コネクタ、光デバイス製品、半導体などの生産

<セブ工場 14号棟(新棟)概要>
延床面積:1階14,413 ㎡、2階14,413 ㎡
スケジュール:2025年4月10日着工、2026年10月竣工、2027年一部稼働開始予定
総投資金額:約200億円(うち、約40億円はグローバルサウス補助金を活用)

 詳細は、ニュースリリース