JFEスチール、革新電気炉(高効率・大型電気炉)の導入を決定、投資額は3,294億円

 JFEスチールは4月10日、カーボンニュートラルに向けた移行期(トランジション期)において西日本製鉄所(倉敷地区)に導入することを検討してきた革新電気炉(高効率・大型電気炉)について、4月9日に機関決定したと発表した。

 この革新電気炉の導入に関しては、2024年12月20日にGX経済移行債を活用した政府支援策である「排出削減が困難な産業におけるエネルギー・製造プロセス転換支援事業(事業Ⅰ(鉄鋼))」に採択されていたが、4月9日に当該事業による補助金交付が決定した。今回の機関決定はそれを受けたものとなる。今後JFEスチールは、速やかに革新電気炉の建設を進め、プロセス転換の早期実現を目指す。

 JFEスチールは、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた超革新技術の開発を推進すべく、「GI基金事業/NEDO製鉄プロセスにおける水素活用プロジェクト」に関する実証試験を行うため、カーボンリサイクル試験高炉や小型試験電気炉などの各種試験設備を東日本製鉄所(千葉地区)で建設しており、開発設備を同一地区へ集中して建設することで、超革新技術の効率的な開発を推進している。

 現在検討中の電気炉では、JFEスチールの独自開発技術に加え、上記のGI基金事業で開発を進めている高品質化・高効率溶解技術などの革新プロセス技術を適用する予定。これらの技術導入と低炭素還元鉄の活用により、世界最大規模の電気炉を導入し、既存の大型電気炉では製造し得なかった電磁鋼板や高張力鋼板などの高品質・高機能鋼材の大量供給体制を世界で初めて実現することを目指す。

 JFEグループは、2021年5月に「JFEグループ環境経営ビジョン2050」を策定し、気候変動問題への対応を経営の最重要課題と位置付け、その解決に向けた取り組みを強力に推進している。今後も、さまざまな超革新技術の開発を複線的に推進していくことで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

<設備投資の概要>
建設場所:JFEスチール西日本製鉄所(倉敷地区)
投資額:3,294億円
政府支援額 上限額:1,045億円
投資内容:革新電気炉、炉外精錬設備、冷鉄源物流設備、岸壁整備 など
生産能力:年間200万トン程度
生産開始:2028年度1Q

 ニュースリリース