竹内製作所、第四次(26年2月期~28 年2月期)中期経営計画策定、売上高3,000億円達成にチャレンジ

 竹内製作所は4月11日、2026 年2月期を初年度とした3ヶ年の第四次中期経営計画を策定したと発表した。最終年度となる2028 年2月期には、2025 年2月期と比べて販売台数をショベルで 1.2 倍、ローダーで2倍、両製品を合わせて 1.5 倍に増加させ、連結売上高 3,000 億円の達成にチャレンジする。なお、文中の将来に関する事項は、米国の関税政策による影響を見込んでいない。

■第四次中期経営計画の策定背景
 竹内製作所グループが提供する小型建設機械は、住宅関連工事、ライフラインの整備工事、官民の建設工事、また時として災害復旧工事において、人々の暮らしを支え続けている。主力市場は北米及び欧州であり、北米での主力製品はクローラーローダー(以下、ローダー、画像)及びショベル、欧州での主力製品はショベルで。住宅不足やライフラインの老朽化は、欧米だけでなく世界中で深刻な社会課題となっている。また、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギー関連のインフラ建設も拡大していくことも考えられる。こうした背景から、同社製品の需要は中長期的に安定拡大が見込めると考えている。

 第三次中期経営計画(2023 年2月期から 2025 年2月期)を振り返ると、2022 年9月に稼働開始した米国サウスカロライナ州の工場により、ローダーの生産能力は 1.4 倍に、2023 年9月に稼働開始した長野県小県郡青木村の青木工場により、 ショベルの生産能力は 1.5 倍に増強を果たした。

 2024 年2月期までは、既存の顧客からの受注に応えるだけで手一杯の状況だったが、2025 年2月期からは、生産能力の増強と受注残高の解消に目途がつき、販売網の拡充に着手した。足元の販売状況は、ローダー販売は主力の北米市場で力強さを維持し、欧州でも着実に伸ばしているのに対して、ショベル販売は主力の欧州市場で減速し、北米でも一服感が出ている。

 第四次中期経営計画(2026 年2月期から2028 年2月期)では、 欧米市場で確固たる地位を確立し、両市場でのシェア拡大を図るとともに、オセアニア地域での拡販にも注力する。足元で軟化しているショベルは販売回復を、需要が順調なローダーについては販売拡大を目指し、最終年度となる2028 年2月期には、2025 年2月期と比べて販売台数をショベルで 1.2 倍、ローダーで2倍、両製品を合わせて 1.5 倍に増加させ、連結売上高 3,000 億円の達成にチャレンジする。

 生産面では、本社工場と青木工場の生産機種を再編成し、ショベルの生産能力をローダーに振り向ける。同時に、2029 年2月期以降の一層の事業拡大を見据えて、青木工場の隣接地にローダー生産専用の新工場を建設する。

 財務面では、売上高や利益の拡大のみならず、 貸借対照表での財務構成を意識した経営に取り組み、株主への利益還元を強化する。また、同社グループが持続的に成長していくためには、社会課題の解決を経営の土台に位置づけ、 ESG に代表される非財務面での取り組みを強化していく必要がある。財務と非財務の両面において、経営ビジョンをステークホルダーの皆様と共有するとともに、積極的かつ丁寧な対話を通じて経営戦略を研鑽し、同社グループの企業価値の向上に努めていく。

■重点施策
(1)販売網の拡充とアフターパーツの販売拡大
① 北米:ディーラー網を現在の 280 拠点から3年後には 360 拠点へ拡大し、主力製品であるローダー及びショベルの積極的な販売活動に取り組む。

② 欧州:2025 年下半期からの欧州経済の回復を前提に、主力製品であるショベルの販売回復、ローダーの段階的拡販に取り組む。

③ オセアニア:オーストラリアにディストリビューターを追加し、既存ディストリビューターとの相乗効果により、ショベルとローダーの販売拡大を目指す。また、地域別売上高の開示区分をこれまでの「アジア」から「アジア・オセアニア」に変更し、四半期ごとに実績を開示する。

④ アフターパーツ:純正部品によるメリット(高品質・安心)を訴求するとともに、純正部品を使用することを条件としたメーカー保証期間の延長を顧客に提案すること等により、アフターパーツ売上を拡大する。また、アフターパーツ売上の実績を四半期ごとに開示する。

(2) 生産機種の再編成とローダー新工場の建設

① 本社工場と青木工場の生産機種を再編成し、ショベルの生産能力をローダーに振り向けるとともに、増員による生産台数の底上げ、トレーニングによる生産効率の向上等により、2028 年2月期には、ローダーの生産台数を2025 年2月期と比べて2倍に引き上げる。

② 2029 年2月期以降の事業拡大を見据え、青木工場の隣接地にローダー新工場を建設する。新工場がフル稼働に至ると、ショベルとローダーを合わせた生産能力は、1.3 倍となる見込み。

(3) 電池式ミニショベルのラインナップ拡充
 パワフル、耐久性、操作性、快適性といった同社製品の強みを発展させつつ、電池式ミニショベルのラインナップを拡充する。なお、販売中の2 トン級に続き、1.5 トン級と3.5 トン級のプロトタイプを市場でテストしている。

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