住友商事とスイスABB、鉱業分野の脱炭素化に向けて協業 

・ABBとして初となる、鉱山現場の実装支援領域での覚書を締結

 住友商事とグローバルエンジニアリング企業ABB Ltd.(本社:スイス チューリッヒ)は4月8日、鉱山機械の脱炭素化に向けた共同ソリューションに関する覚書を締結したと発表した。

 世界的な脱炭素化の潮流を受けて、鉱業業界では温室効果ガスを多く排出する機械や設備への対策が急務となっている。操業の効率性と持続可能性を両立するため、現場全体の電動化やエネルギーマネジメントの高度化に向けた取り組みが加速している。住友商事とABBが協業することで、鉱山機械の脱炭素化・電動化に必要なリソースを相互に補完しあい、鉱業会社が推進する脱炭素に向けた取り組みにより柔軟かつ効果的に応えることが可能になることから協業に至りった。ABBはこれまで、主に鉱山機械メーカーなどと技術面での協業を通じて脱炭素化に貢献してきたが、今回の住友商事との協業は、鉱山現場の脱炭素に貢献する技術を搭載した鉱山機械導入や実装支援まで、顧客に対してワンストップでソリューション提供する初の取り組み。

 ABBは、鉱山現場におけるプロセスプラントや変電設備などを世界各地で展開しており、鉱山のオペレーション全体の電動化を推進している。住友商事は、グローバル展開する販売代理店事業を通して大型鉱山機械を販売しており、鉱山現場における導入支援やアフターサービス体制に強みを有している。今回の協業において、ABBが既存製品に加え、鉱山の電動化を支える新たなソリューションの開発・提供を担い、住友商事は、これまで培ってきた顧客との信頼関係をもとに、現場での導入・運用を支援する。これにより、従来は鉱業会社が複数のサプライヤーと個別に調整していた電動化ソリューションに対し、両社が連携して包括的な提案・支援を行うことで、よりスムーズかつ実効性の高い取り組みを実現する。

 当面は、鉱山用ダンプトラックに架線から電力を供給する「トロリーアシストシステム」や、既存車両の脱炭素化に向けた取り組みに注力する。将来的には、鉱山のオペレーション全体のエネルギーマネジメントやインフラ整備も含めた包括的なソリューションの提供を目指す。住友商事とABBは、それぞれの強みを生かし、鉱業顧客にとって経済的に実現可能な形でのソリューションを追求することで、鉱業分野の脱炭素化に貢献していく。

■各社代表コメント
・住友商事 日向健一 建機ソリューションSBU長 
 「今回の覚書締結により、パートナーであるABBと協力し、鉱業業界のお客さまに対し、両社の強みを最大限に活かした最適なソリューションをお届けすることが可能になります。脱炭素化と電動化という重要なテーマのもとで、実効性の高い取り組みを共に進めていけることを楽しみにしています。」

・Joachim Braun (ヨアヒム・ブラウン)Division President, ABB Process Indus-tries
「住友商事との協業を通じて、鉱業における重機の脱炭素化という重要課題にさらに踏み込んで取り組む体制が整いました。テクノロジーリーダーとしての責任を果たすべく、より効率的で持続可能なオペレーションの実現に向けて、あらゆる可能性を探求していきます。こうした取り組みは一社単独では成し得ません。今回、価値観を共有できる新たなパートナーと共に挑戦できることを嬉しく思います。」

■ABBについて
 ABBは、電化とオートメーションにおけるグローバル・テクノロジー・リーダーであり、より持続可能で資源効率の高い未来を実現します。ABBは、エンジニアリングとデジタル化の専門知識を融合させることで、産業界がより効率的で生産性の高い持続可能な社会を実現しながら、高いパフォーマンスを発揮できるよう支援しています。ABBではこれを「Engineered to Outrun」と呼んでいます。ABBは140年以上の歴史を持ち、全世界で105,000人以上の従業員を擁しています。ABBの株式はスイス証券取引所(ABBN)とナスダック・ストックホルム(ABB)に上場しています。
http://www.abb.com/

 ABBのプロセスオートメーション事業は、エネルギー、水、材料の供給から、商品の生産、市場への輸送に至るまで、必要不可欠な幅広いニーズに対応する産業オペレーションを自動化、電動化、デジタル化します。ABBプロセスオートメーションは、約2万人の従業員、先進のテクノロジーとサービスの専門知識で、プロセス、ハイブリッド、海運の各産業が、よりスリムでクリーンな社会を実現できるよう支援しています。
https://new.abb.com/about/our-businesses/process-automation

■住友商事について
 住友商事(TYO: 8053)は63の国と地域に125の拠点を有し、グローバルに強固なネットワークを持つ総合商社です。住友商事グループ全体では約900社、連結ベースで約8万人の社員を擁しており、鉄鋼、自動車、輸送機・建機、都市総合開発、メディア・デジタル、ライフスタイル、資源、化学品・エレクトロニクス・農業、エネルギートランスフォーメーションという9つのグループで事業活動を行っています。400年以上にわたり受け継がれてきた住友の事業精神を核としている住友商事は、コーポレートメッセージとして「Enriching lives and the world」を掲げ、社会により高い価値を創出していきます。
住友商事

 ニュースリリース
 *リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。