安川電機が4月4日に発表した2025年2月期(2024年3月1日~2025年2月28日:2024年度)連結業績によると、売上収益は前期比6.6%減の5,376億82百万円 、営業利益は同24.3%%減の501億56百万円 、親会社の所有者に帰属する当期利益は同12.4%増の569億87百万円 となった。
2024年度における安川電機グループの経営環境は、重要な注力市場である半導体・自動車市場における回復に力強さを欠いた状態で推移した。このような環境において安川電機グループの業績は、高水準な受注残に支えられた前期に比べ、モーションコントロールを中心に減収となった。営業利益については、間接費の抑制に努めたものの、売上減少に伴う利益減の影響を大きく受け減益となった。一方、親会社の所有者に帰属する当期利益は、持分法適用関連会社であったYantai Dongxing Magnetic Materials Inc.の株式の一部譲渡に伴い、株式譲渡益および残存株式の再評価益を計上したことにより、増益となった。
■地域別経営環境日本:半導体・電子部品市場は想定より緩やかな回復に留まった。また、自動車市場における設備投資需要も伸び悩んだ。
米州: オイル・ガス関連や一般産業における需要は、大統領選挙を控えた投資抑制の影響を受けた一方、半導体関連需要が緩やかに回復し、自動車市場における投資も底堅く推移した。
欧州: 自動車市場をはじめ製造業全般における設備投資は低迷した。
中国: 内需の鈍化が継続した一方、輸出向けなどを中心に需要は底堅く推移し、期末にかけては、市場の緩やかな回復が見られた。
中国除くアジア:韓国は半導体関連を中心に需要は軟調に推移したものの、アセアン各国における自動化投資や港湾クレーン関連の需要は堅調に推移した。
安川電機2025年2月期通期データ
■セグメント別経営成績
<モーションコントロール> 売上収益 2,387億52百万円 (前期比 △11.4% )、営業損益 230億 5百万円 (前期比 △41.0% )
モーションコントロールセグメントは、ACサーボモータ・コントローラ事業とインバータ事業で 構成。売上収益は、半導体市場の回復に力強さを欠いたことに加え、高水準な受注残に支えられた前期に対し減収となった。利益面については、経費削減を進めたが売上減少に伴う利益減の影響を大きく受け、減益となった。
〔ACサーボモータ・コントローラ事業〕 半導体市場においては米州を中心に販売が堅調に推移した一方、日本では電子部品市場を含め需要の回復遅延の影響を受けた。中国においては期末にかけて市場の緩やかな回復が見られたものの、設備投資は総じて低調に推移したほか、欧州においても需要は低迷した。これらの結果、売上収益は減少した。
〔インバータ事業〕 太陽光発電用パワーコンディショナの販売が堅調に推移したものの、高水準な受注残に支えられた前期に比べ、売上収益は減少した。
<ロボット> 売上収益 2,374億13百万円 (前期比 +1.2% )、営業損益 237億51百万円 (前期比 △5.6% )
自動車市場では設備投資は総じて低調に推移する中、既受注の大口システム案件の売上が寄与し
た。また、半導体市場向けのウェハ搬送ロボットの販売も増加したことから、売上収益は前期比で微増となった。利益面については、生産稼働率の低下やシステム対応力強化に向けた先行投資などにより減益となった。
<システムエンジニアリング>
売上収益 383億52百万円 (前期比 △16.8% )、46億 5百万円 (前期比 △5.2% )
主力の鉄鋼プラントや港湾クレーン、社会システム向けの販売が拡大したが、前年度下期の大型風力発電関連の子会社売却影響により、売上収益は前期比で減少した。利益面については、前期に計上した大型風力発電関連の子会社株式売却益の剥落影響により減益となったものの、事業構造改革の効果により営業利益率は前期比で改善した。
<その他>
売上収益 231億64百万円 (前期比 △9.1% )、15億91百万円 (前期比 +282.6% )
その他セグメントは、物流サービス事業などで構成。売上収益は減少したが、営業利益はその他の収益の増加などにより前期比で改善した。
■2026年2月期業績予想
2026年2月期通期の連結業績予想について、回復傾向にある市場の需要を確実に取り込むととも
に、足元の需要動向に沿った生産・販売の最適化により売上収益・営業利益を前期から増加する計画。税引前利益・親会社の所有者に帰属する当期利益・基本的1株当たり当期利益については、持分法適用関連会社であったYantai Dongxing Magnetic Materials Inc.の株式の一部譲渡に伴い、前期に計上した株式譲渡益および残存株式の再評価益の剥落影響により、前期から減少する予定。
このような状況を受け、2026年2月期の業績予想は以下のとおりとした。
売上収益5,500億円(前期比2.3%増)、営業利益600億円(19.0%増)、税引前利益630億円(19.7%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益465億円(18.4%減)。
2025年3月1日から2026年2月28日までの期間における平均為替レートは、145円/米ドル、 160円/ユーロ、20円/元、0.11円/ウォンを想定している。
安川電機の2025年2月期決算短信
2025年2月期通期決算説明資料
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