コマツ子会社のKELK、排熱回収高出力熱電発電ユニットを新発売

 コマツの100%子会社であるKELK(神奈川県平塚市)は、4月4日、工場設備から発生する排熱を電力に変換する熱電発電ユニット「KELGEN(ケルジェン) G-Unit KSGU400」を4月より販売開始すると発表した。鉄鋼業界をはじめ、排熱が発生する設備を保有する顧客に同製品を導入することで、設備からの排熱を電力として有効に再利用できるとしている。

 工場の鋳造、鍛造工程や熱処理炉などでは稼働時に多くの排熱が発生する。これらの排熱を再利用するシステムは、導入に高額なコストと設置スペースが必要となることから、大量の排熱が発生する大型設備への導入に限定され、それ以外の設備からの排熱は、多くが再利用されずに大気中に放出されている。

 KELKは従来より、排熱の有効活用を推進するために、熱電発電を応用した商品を販売してきた。2023年1月に販売開始した熱電発電ユニット「KSGU250」は、経済産業省 資源エネルギー庁が推進する省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(令和5年度)における、熱電変換式の産業排熱回収設備として初めて選定された。

 今回販売を開始する「KSGU400」は、「KSGU250」のサイズはそのままに、排熱回収時の発電出力を60%向上させ、400Wまで出力できるようになった。また、約29cmx29cmのコンパクトさを生かし、狭いスペースに設置したり、設備の排熱範囲に合わせて設置台数を調整することもできるため、顧客の設備規模に合った柔軟な導入が可能。

 同製品は、コマツ粟津工場において、トランスミッションなどに使用されるギヤの製造ラインのうち、多くの排熱が発生する工程に設置され、発電性能だけではなく、高温・多湿の過酷な環境下における耐久性の試験を重ね、その有効性を実証してきた。  
 
 今回発売する熱電発電ユニット「KSGU400」は、製鉄所などで排熱が発生する設備からの未利用熱を電力として有効活用するソリューションとして、鉄鋼業界をはじめとした顧客のカーボンニュートラルの実現に貢献する。

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