・安全・安心な生活用水提供に貢献
カナデビア(旧・日立造船)は2月25日、カンボジア王国コンポンチュナン州の浄水施設増強案件を現地浄水場の運営を手掛ける ISZA TRADE SDN BHD から受注したと発表した。これにより 1,600 世帯分の清潔で安全な水を供給できる。
カナデビアは 2022 年よりカンボジアでのビジネス化を目指し活動をしてきたが、同国での初めての受注案件であり、かつ高濁度向けパッケージ型高速ろ過浄水システムとしても初の受注となる。
建設地となるコンポンチュナン州ボリボー郡周辺では、トンレサップ湖を水源として 2017 年から周辺地区の住民に給水事業が行われているが、近隣の新規住宅開発などで人口が増加し、浄水能力の増強を計画していた。
カナデビアは、独立行政法人国際協力機構(JICA)が 2023 年 9 月に公示した「2023 年度『中小企業・SDGs ビジネス支援事業』」において、カンボジアでの「カンボジア国 高濁度向けパッケージ型高速ろ過システムの普及に向けたビジネス化実証事業」が「ビジネス化実証事業」の「水の浄化・水処理分野」において採択された(JICA との契約期間:2024 年 3 月 1 日~2026 年 3 月 1 日)。カナデビアは同事業の下で 2024 年 6 月よりカンボジアで実証試験を実施しており、実証設備の性能や新技術が高く評価され、カナデビアの高濁度向けパッケージ型高速ろ過浄水システムを当地の民営水道事業会社に採用されることになった。
カンボジアの都市部では、河川水を浄水処理し、生活用水として利用している一方で、地方都市や農村部は、処理されていない河川や湖、地下水を水源として安全で安心な水にアクセスできない生活を余儀なくされている。さらに、水を汲んだ重たいタンクを⾧距離にわたって人手で運ばなければならず、それが女性や子どもたちの役割となっている。
カナデビアの高濁度向けパッケージ型高速ろ過浄水システムは、組立が容易で省スペースなパッケージ型であるため、農村部や遠隔地などの集落に対して分散配置しやすい特⾧があり、同システムの普及により、地方都市や農村部でも浄水システムが生み出す安価で安全・安心な清浄水の利用が可能となり、飲料水といった生活レベルの向上だけでなく、農業や畜産業などの生産活動の促進が期待できる。
カナデビアは、これまで培った技術を活かし、地域経済の発展や観光業の振興など、地域全体の発展に貢献していく。
<受注概要>
納入先:Isza Water Utilities Co.,Ltd
建設地:カンボジア王国コンポンチュナン州ボリボー郡
浄水処理能力:30 m3/時(720 m3/日)
完成予定時期:2025 年7月
コメントを投稿するにはログインしてください。