住友重機械工業が2月14日に発表した2024年12月期連結累計期間(1〜12月)の受注高は9,361億円(以下、前期比7%減)、売上高は1兆711億円(1%減)となった。営業利益は551億円(26%減)、経常利益は492億円(30%減)となったが、特別損失275億円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は77億円(76%減)となった。特別損失は主に、連結子会社であるLafert S.p.A.において、欧州の市況低迷の影響を受けて事業環境の不透明感が継続しており、同社の買収時に想定していた収益の実現が困難であるとの判断に至ったことから、のれんを含む固定資産の減損損失を計上したことによるもの。また、ROICは4.8%となった。
2024年度における住友重機械グループを取り巻く経営環境は、国内においては、製造業を中心に設備投資は緩やかな回復に向かう中、半導体市況の持ち直しの動きに足踏みが見られるなど、一部に弱さが見られた。海外においては、米国では設備投資が底堅く推移する一方、油圧ショベル市場では需要の減少が見られた。欧州では金融引き締めによる景気悪化の影響で弱含みが続き、中国においても不動産市況の悪化に端を発した需要の低迷が続いた。
このような経営環境のもと、住友重機械グループは「中期経営計画2026」に基づき、製品・サービスによる社会課題解決を通じて持続的に企業価値を拡大することを目指し、強靭な事業体の構築に向け、収益力の改善、資本効率の向上、新事業探索の強化を遂行するとともに、SDGsへの貢献拡大及び環境負荷低減への取組み強化などの施策を推進した。
■セグメント別の状況
ⅰメカトロニクス 中小型の減・変速機が国内で堅調に推移した一方、半導体関連の需要が減少したことから、受注は減少した。また、欧州や中国において減・変速機やモータの需要が回復せず、売上、営業利益も減少した。
この結果、受注高は1,944億円(2%減)、売上高は2,061億円(6%減)、営業利益は38億円(69%減)となった。
ⅱインダストリアル マシナリー
プラスチック加工機械事業は、中国において電気電子関連の需要が底入れするも、欧州では投資の冷え込みが継続したことから、受注は前期並みとなった。
一方、欧州を中心に受注残が減少したことから売上、営業利益は減少した。
その他の事業では、半導体市況停滞に伴う顧客の在庫調整や投資先送りの影響が続き、受注は減少しました。売上は受注残が高い水準であったことから増加した一方、営業利益は機種構成の変化により微減となった。
この結果、受注高は2,536億円(4%減)、売上高は2,843億円(2%増)、営業利益は203億円(21%減)となった。
ⅲロジスティックス&コンストラクション 油圧ショベル事業は、国内や米国においてレンタルを中心とした需要が減少したことなどにより、受注、売上、営業利益ともに減少した。
その他の事業では、建設用クレーン事業は、国内での需要が弱含んだことから受注は減少した一方、北米にて高水準の受注残があったことから、売上、営業利益は増加した。また、運搬機械事業では、製鉄や造船向けの大型案件があったことから受注、売上は増加しましたが、高採算案件の減少により営業利益は前期並みとなった。
この結果、受注高は3,397億円(14%減)、売上高は前期並みの3,925億円、営業利益は253億円(10%減)となった。
ⅳエネルギー&ライフライン
エネルギープラント事業は、バイオマス発電設備の案件増加により受注は増加したが、受注残が少なかったことから売上は減少し、液化空気エネルギー貯蔵システム(LAES)事業化に向けた開発費増加などにより営業利益も減少した。
その他の事業では、受注は新造船事業の撤退などにより減少したが、当期売上対象となる案件の増加により、売上、営業利益は増加した。
この結果、受注高は1,418億円(3%減)、売上高は前期並みの1,820億円、営業利益は38億円(41%減)となった。
ⅴその他
受注高は65億円(9%増)、売上高は62億円(2%増)、営業利益は20億円(3%増)となった。
■今後の見通し
現時点での2025年12月期の業績見通しは、以下のとおり。
売上高1兆900億円(以下、前期比1.8%増)、営業利益600億円(8.9%増)、経常利益530億円(7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益280億円(262.6%増)。
為替レートは1ドル=145円、1ユーロ=155円を前提としている。
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