酒井重工業 が2月13日に発表した2025年3月期第3四半期(2024年4〜12月)における売上高は、需要調整局面の中で国内外ともに販売が減少基調に推移し、前年同期比16.7%減の202億4千万円となった。営業利益は、売上高の減少に伴い前年同期比47.0%減の13億6千万円、経常利益は、同47.2%減の14億1千万円、親会社株主に掃属する四半期純利益は、投資有価証券売却益2億8千万円の嵩上げにより、前年同期比26.3%減の14億3千万円となった。
第3四半期連結累計期間における酒井重工グループを取り囲む事業環境は、コロナ後の経済拡大期が峠を越えて調整期を迎える中、物価高騰の収束や金融引き締め政策の転換が始まったものの、世界的な選挙イヤーにおける政策停滞やウクライナ・中東・米中対立に伴う地政学問題拡大が続き、世界の建設機械市場は減速基調のまま推移した。
このような情勢の下で酒井重工グループでは、価格改定の維持並びに事業の高付加価値化と効率化による収益構造改革、雇用環境整備と現場技能者増強等の人的資本投資により、収益構造と人的組織能力を強化した。
■ 連結地域区分別売上高
国内向け売上高は、国土強靭化加速化対策を背景とした堅調な政府建設投資が続いたものの、度重なる価格改定前の駆込み要と物流と建設の残業上限規制に対して、だぶついた建設機械の在庫調整が続き、前年同期比14.3%減の94億9千万円となった。
海外向け売上高は、世界的に建設機械市場の需要調整局面が続き、前年同期比18.7%減の107億5千万円となった。
北米向け売上高は、インフラ投資法を背景とした道路建設投資が続いたものの、金利の高止まりが続く中でディーラ段階の在庫調整が更に強まり、前年同期比25.1%減の49億6千万円となった。
アジア向け売上高は、選挙イヤーでASEAN市場全般の需要が停滞し、前年同期比14.3%減の47億1千万円となった。
その他市場向け売上高は、主要市場の需要が停滞する中で、ODAによる道路維持機械案件が増加し、前年同期比2.7%減の10億7千万円となった。
■セグメント別
日本:日本では、レンタル業界の在庫機械調整により国内販売が振るわず、総売上高は、前年同期比13.7%減の153億4千万円、営業利益は、売上高の減少に伴い前年同期比65.1%減の2億9千万円となった。
海外:米国では、ディーラの在庫調整により販売が更に減少に転じ、総売上高は、前年同期比25.0%減の49億7千万円、営業利益は、売上高の減少に伴い前年同期比15.4%減の6億4千万円となった。
インドネシアでは、国内販売及び第三国向け輸出ともに減少し、総売上高は、前年同期比23.0%減の43億9千万円、営業利益は、前年同期比56.1%減の3億7千万円となった。
中国では、中国内販売に底入れの兆しが見られましたものの、グループ企業向け製品・部品輸出が伸び悩み、総売上高は、前年同期比15.3%減の12億1千万円、営業利益は、前年同期比52.9%減の8千万円となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
今後世界の建設機械市場は、短期的にはコロナ後の需要拡大期からの調整局面がしばらく続くものの、中期的には日米の大型インフラ投資計画や新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、更には老化インフラの更新需要や災害対策など、建設機械の底堅い潜在要が期待されることから、最気循環を経て底入れするものと予想している。
一方で、世界の政治的パワーバランスの変化に伴い、今後の世界貿易や安全保障情勢に新たな変化の兆しがあることから、世界経済の先行きは予断を許さない。
このような情勢の下で酒井重工グループでは、収益構造と人的組織能力の強化に加え、市場環境変化に伴う競争力強化対策やものづくり品質の安定化施策など、この要請整期に経営の基礎基を固め直し、市場回復期に向けた企業体質強化を進めていく。
また引き続き、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による改世代事業開発、番要変化対応力強化を進めるとともに、積極的にESGを推進し、中長期的な事業成長と企業価値向上を目指していく。
2025年3月期は、最近の業績動向等を踏まえ下記のとおり前回予想を据え置いている。
売上高272億円(前期比17.6%減)、営業利益17億4千万円(同47.6%減)、経常利益17億円(同48.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益17億円(同30. 3%減)。
酒井重工業の2025年3月期第 3四半期決算短信
決算説明資料
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