川崎重工、大規模水素ステーション向け油圧ブースター式水素圧縮機の販売を開始

 川崎重工業は2月12日、主にバス・トラックなどの燃料電池大型商用車(以下、FC HDV)向けの大規模水素ステーションに対応する「大容量モデルの油圧ブースター式水素圧縮機(水素供給能力600Nm3/h)」を2025年度から販売開始すると発表した。

 FC HDVは、燃料として多くの水素を必要とするため、水素ステーションでの充填に時間を要する。今後、FC HDVが普及するためには、水素を大流量で迅速かつ、より多くの車両に充填できる大規模水素ステーションの実現が不可欠であり、水素ステーション内で水素ガスを圧縮する役割を担う水素圧縮機の大容量化が必要。

 同製品は、既に販売している中規模水素ステーション向けの従来製品(水素供給能力300Nm3/h)から、主要部品であるブースターの組合せを変更することで、水素供給能力を増強した大容量タイプ(水素供給能力600Nm3/h)としてラインナップするもの。これにより、FC HDV向け大規模水素ステーションに対応する。

 また、同製品は、高い信頼性が求められる「燃料電池車向け車載用高圧水素ガスバルブ」、省エネ性能に強みを持つ油圧製品「回転数制御システム(ECO SERVO®)」など、川崎重工がこれまでに開発してきた製品の技術を活用している。それらの技術によって、高圧ガス摺動シールの長寿命化によるメンテナンス頻度の減少、駆動源となる油圧の消費動力を抑えることで、水素ステーションの修繕費や光熱費を低減し、運営コストの抑制に寄与する。

 川崎重工は、FC HDVの普及に不可欠な大規模水素ステーションを実現し、水素モビリティの普及を推進することで、引き続き、カーボンニュートラルに貢献する。
 また、現行の大規模水素ステーションよりもさらに大規模な水素ステーションの実現に向けた水素圧縮機の開発を、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」として実施しており、引き続き取り組んでいく。

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