クボタが2月13日に発表した2024年12月期(2024年 1 ～12 月)連結業績によると、売上高は前期比44億円(0.1％)減少して3兆163億円となった。
国内売上高は機械部門、水・環境部門、その他部門共に減収となり、前期比107億円(1.7％)減の6,325億円となった。
海外売上高は機械部門及び水・環境部門で増収となり、前期比62億円(0.3％)増の2兆3,838億円となった。当期の海外売上高比率は、前期比0.3ポイント上昇して79.0％となった。
営業利益は、値上げ効果や為替変動などの増益要因はあったが、欧州、北米を中心とした機械部門での減販損やインセンティブコストの増加などにより、前期比132億円(4.0％)減の3,156億円となった。税引前利益は前期比70億円(2.0％)減少して3,353億円となった。法人所得税は807億円の負担、持分法による投資損益は51億円の利益となり、当期利益は前期比3億円(0.1％)減の2,597億円となった。親会社の所有者に帰属する当期利益は
前期を80億円(3.4％)下回る2,304億円となった。
クボタ2024年データ
■セグメント別の概況
＜機械部門＞
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されている。
売上高は前期と同水準の2兆6,369億円となり、売上高全体の87.4％を占めた。
国内売上高は前期比1.2％減の3,119億円となった。主に農業機械及び建設機械の減少により減収となった。
海外売上高は為替変動の影響もあり前期比0.2％増の2兆3,250億円となった。北米では、建設機械の販売は政府のインフラ開発需要を背景に堅調に推移したが、トラクタはレジデンシャル市場の低迷及び農作物価格の下落の影響を受け苦戦した。欧州では、建設機械及びエンジンは経済の減速に伴う市場縮小が続いたことで販売
が減少し、トラクタも需要が弱く低迷した。アジアは、タイでは一部洪水の影響が残るものの、農業機械は稲作向け製品を中心に販売が回復し、建設機械も販売が増加した。インドでは、当第2四半期までは干ばつや総選挙の影響により市場が縮小したが、第3四半期以降は十分な降雨と収穫量により回復に転じた。
セグメント利益は、値上げ効果や為替変動などの増益要因はあったが、主に欧州や北米での減販損
やインセンティブコストの増加などにより、前期比2.4％減少して3,474億円となった。
＜水・環境部門＞
同部門はパイプシステム関連製品(ダクタイル鉄管、合成管等)、素形材・都市インフラ関連製品(反応管、スパイラル 鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ等)により構成されている。
売上高は前期比0.5％減少して3,626億円となり、売上高全体の12.0％を占めた。
国内売上高は前期比1.3％減の3,038億円となった。産業機材事業の売上は増加したが、主にパイプシステム事業での減少により減収となった。
海外売上高は前期比3.9％増の588億円となった。主に環境事業での売上増加により増収となった。
セグメント利益は値上げ効果や原材料価格の改善などの増益要因はあったが、経費の増加などによ
り前期比2.9％減少して297億円となった。
＜その他部門＞
同部門は各種サービス事業などにより構成されている。
売上高は前期比14.0%減少して168億円となり、売上高全体の0.6％を占めた。セグメント利益は前期比36.1％減少して10億円となった。
■次期の見通し
2025年12月期の売上高は前期比337億円増の3兆500億円（前期比1.1%増）を見込んでいる。機械部門は、欧州市場は引き続き低迷が続く見通しだが、堅調な北米の建設機械と、タイ、インドを中心としたアジアでの販売回復などで増収を見込む。水環境部門も主にパイプシステム事業により増収を見込む。
営業利益は、値上げや、北米の建設機械及びアジアを中心とした増販などの増益要因はあるが、為替変動やインフレーションの影響などによる経費の増加などにより2,800億円（同11.3%減）となる見込み。税引前利益は2,970億円(同11.4%減）、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,960億円（14.9%減）を予想している。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=145円、1ユーロ=152円としている。
クボタ の2024年12月期決算短信
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