・水素発生装置の中核機器(水電解スタック)量産に向け、山梨県および都留市と立地協定を締結
・産業集積・雇用拡大・地域経済活性化に向け相互連携
カナデビア(大阪市住之江区、旧・日立造船)は2月7日、固体高分子(PEM:Polymer Electrolyte Membrane)型水素発生装置の中核機器となる水電解スタックの量産工場を山梨県都留市に建設するにあたり、同日、山梨県庁においてカナデビアの桑原 道取締役社長、長崎幸太郎山梨県知事、堀内富久都留市長が、工場建設の実施に関する調印式を実施し、立地協定を締結したと発表した。
この協定は、 同事業の実施にあたり、カナデビア、山梨県、都留市の 3 者が相互に連携することにより、活力ある産業集積と雇用機会の拡大を図り、 事業の円滑な実施や地域経済の活性化などを目的とするもの。
立地協定では、山梨県および都留市による同事業への支援体制の確立、カナデビアによる地元からの従業員雇用などを含めた地域振興、さらには、3者による国内外における水素社会の実現に向けた連携・協力などが取り決められている。
新工場は、山梨県都留市厚原地内の新工業団地に約 80 億円を投じて建設予定で、今年設備設
計に着手した。現地での着工は 2026 年 6 月頃を予定し、 2028 年度末までに完成、操業開始
を計画している。水電解スタックの生産能力は、年産 1GW(電解効率 5 kWh/Nm3 として製造水素換算 15 万 7 千トン/年)になる。
カナデビアは、山梨県などが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として実施している同県米倉山でのP2G(Power to Gas)システムの技術開発事業に水素発生装置(1.5MW)を納めているほか、2021 年には山梨県などと共に再生可能エネルギー由
来の電力を活用した水電解による水素製造プロジェクトがグリーンイノベーション基金事業に採択されており、水素発生装置の大型化などに取り組んでいる。
同事業の実施場所については、これまでの山梨県での取り組みに加え、「クリーンエネルギー先進県」を目指す山梨県の再生可能エネルギーに対する積極的な施策や、 都留市が全国各方面から抜群にアクセスが良いことなどから決定したもの。
水素発生装置の世界の導入容量は、2024 年末までに 5GW に達しているが、2030 年までに
230GW となるとの試算があり、開発初期段階のプロジェクトを含めると、520GW 程度にまで
拡大するとの予測が報告※されている。カナデビアは、 水素関連事業で 2030 年代に売上高 1,000 億円以上、2040 年代には 2,000 億円以上を目指している。
※ International Energy Agency(IEA)”Global Hydrogen Review 2024“
<新工場の概要>
建設地:山梨県都留市厚原地内 工業団地
敷地面積:約 36,000 ㎡
生産機種:PEM 型水素発生装置の水電解スタックおよびシステム(将来計画)
生産能力:1GW/年 以上
完成予定:2028 年度末
従業員数:約 100 人(操業開始時)
投資額:約 80 億円
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