川崎重工業グループの川崎車両は2月6日、同社の米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc. ※1(ニューヨーク州ヨンカース市)を通じて、ニューヨーク市交通局(New York City Transit、以下「NYCT」※2)より新型地下鉄電車「R211」435両を追加受注したと発表した。
追加分の契約金額は、約13億米ドル(約1,773億円)で、車両の構体製作をリンカーン工場(Kawasaki Motors Manufacturing Corp.、USA、ネブラスカ州)、機器取付と最終組立および機能試験をリンカーン工場とヨンカース工場(ニューヨーク州)の2か所で行い、2027年から2028年にかけて納入する予定。
今回の追加受注は、2018年に受注したベース契約535両に付随する2つ目のオプション契約(Option 2契約)435両が行使されたもの。また、2022年には1つ目のオプション(Option 1契約: 640両)も行使されており、今回のオプション行使により、R211の受注総数は1,610両、契約総額は約45億米ドル(約6,327億円)と当社における過去最大規模の鉄道車両案件になる。
「R211」は、ニューヨーク地下鉄の近代化や利用者の継続的な増加ならびに旅客サービス向上計画に伴い、既存の地下鉄電車の置き換えとして導入されるもので、監視カメラ搭載、LED照明やデジタル表示機、混雑時のスムーズな乗り降りを考慮した従来よりも広いドアの採用が特長。
川崎車両は、NYCT向けでは1982年にR62型地下鉄電車325両を受注して以来、2,200両を超える納入実績を有している。今回の追加発注は、川崎車両が長年北米市場で培った豊富な実績に裏付けられる契約履行能力と、厳しい技術要求への対応力、アフターサービスも含めた川崎車両が提供する顧客価値が高く評価されたもので、引き続きニューヨーク地区の公共交通の整備に貢献していく。
今後も、川崎車両は、高い技術力、品質、信頼性をもとに、環境負荷の少ない交通手段である鉄道車両を国内外に提供していく。
<「R211」地下鉄車両概要 >(予定)
車種:地下鉄電車(5両/編成、最大10両まで連結可能)
寸法:18.44m(長さ)×3.00m(幅)×3.665m(高さ)
車体素材:ステンレス鋼
※1:川崎車両株式会社、および 米国現地法人Kawasaki Rail Car, Inc. は川崎重工業株式会社のグループ会社。
※2:NYCT(New York City Transit) ニューヨーク州交通局(MTA:Metropolitan Transportation Authority)傘下の地下鉄・バスの運営会社。MTAの傘下には、NYCTのほか、ロングアイランド鉄道、メトロノース鉄道等がある。
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