DMG森精機、24年12月期売上は0.3%増の5,409億円、25年予想は5.7%減の5,100億円

 DMG森精機が2月5日に発表した2024年12月期(2024年1~12月)連結業績によると、売上収益は5,409億円(前期比0.3%増)、営業利益は437億円(同21.0%減)、税引前当期利益は371億円(同24.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は77億円(同77.3%減)となった。

 受注額は4,960億円となり、前年度比4.6%減となった。工程集約機、自動化をはじめとする顧客への価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が、2023年度平均の61.9百万円(40.7万ユーロ)から71.0百万円(43.3万ユーロ)へと、円安の影響を除くユーロ換算ベースでも伸長している。連結受注の25%(前年度22%)を占めるスペアパーツ、メンテナンス・リペアの受注額が前年度比7.4%増と、受注の安定に寄与した。
 3カ月(四半期)ベースの受注額は、年間を通じて前年同期比でマイナスとなったが、10-12月の連結受注額は1,145億円と、7-9月期の1,148億円から前四半期比で横ばいとなり、受注の底打ち感がみえてきた。

 地域別受注額は、中国を除くアジア(構成比:6%)が前年度比8%増、米州(同:22%)は同水準となった。欧州(同:55%)は同4%減、日本(同:11%)は同8%減とやや弱含んでいる。中国(同:6%)は、前年度から輸出管理をより強化した影響もあり、同24%減となった。産業別の需要は、民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電関連向け受注は堅調に推移している。
 機械本体の受注残高は、2024年12月末時点で2,180億円と、2023年12月末の2,470億円から約300億円減少している。
 
 2025年度(1-12月)の売上収益計画5,100億円達成のために、この受注残を確実に売上収益に計上につなげることに加え、期中受注・期中売上の積み増しを図っていく。

 中期経営計画でも掲げているとおり、DMG森精機は工程集約・自動化・DX・GXにより、顧客へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、これにより環境負荷を低減させ循環型社会にも貢献するといった、MX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略による持続的な成長を目指している。MX推進による顧客の生産性向上とサステナブルな社会の実現を目指して邁進していく。

 DMG森精機は、連結子会社である太陽工機を100%グループ会社とすることを目的として2024年11月から12月にかけて太陽工機普通株式の公開買付けを行った結果、DMG森精機の所有割合が92.84%となった。
 
 2025年1月7日には、太陽工機の非支配株主の全員に対する株式売渡請求を決議し、2025年第1四半期中に同社の発行済み株式の全部を取得する予定。100%グループ化によりDMG森精機のノウハウやグローバルでの経営資源・ネットワークを迅速かつ柔軟に共有可能となる。また、DMG森精機が2024年1月に連結グループ化したDMG MORI Precision Boringは、太陽工機と同様に新潟・長岡エリアに本社工場を構えており、同エリアでのシナジーを高めることができる。今後も、DMG MORIグループ全体における持続的な成長と企業価値向上のため邁進していく。

 また、DMG森精機は2026年に欧州統括会社DMG MORI Europe Holding GmbHの本社をドイツ・ミュンヘンに新設することとし、2024年9月に起工式を執り行った。ミュンヘンは欧州の中心に位置し、DMG森精機欧州最大の開発・生産拠点であるドイツ・フロンテン工場をはじめ世界各地へのアクセスも良いことから、国際的な交流の場となる。

 さらに、グループ最大の生産拠点である三重県伊賀事業所が2024年度のデミング賞を受賞した。DMG森精機は2017年からTQMを導入後「顧客志向」の重要性を再認識し、MX実現に向けTQMを推進してきた。今後もグローバルでTQM推進と品質向上を徹底し、継続的な成長を実現していく。

■2025年度の連結受注見通し
 次期業績(連結)の見通しは、以下のとおり。

 2025年12月期の業績(連結)の見通しは、売上収益5,100億円(前期比5.7%減)、営業利益380億円(同13.1%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益200億円(同159.1%増)。

 DMG森精機の2024年12月期決算短信

 決算リリース

 決算説明資料