オークマ、24年4〜12月期売上は11.0%減の1,490億円、24年度予想は2,100億円(7.9%減)は変えず

 オークマが2月5日に発表した2025年3月期(2024年度)第3四半期(4〜12月)連結業績によると、連結受注額は151,976百万円(前年同期比1.6%減)、連結売上高は148,967百万円(同11.0%減)、営業利益は10,127百万円(同44.4%減)、経常利益は11,295百万円(同38.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7,498百万円(同42.7%減)となった。

 第3四半期連結累計期間におけるオークマグループの経営環境は、地政学的リスクやインフレの継続等、世界経済の先行きが不透明な状況が続いた。こうした中、工作機械の需要は大手企業向けでは底堅く推移したが、中堅・中小事業者においては設備投資の様子見が続き、国内、海外とも需要は総じて伸びを欠く展開が継続した。
 こうした事業環境のもと、オークマグループは「中期経営計画2025」に基づき、高精度・高効率生産とエネルギー消費量削減を自律的に両立し脱炭素化に貢献するグループの工作機械を「Green-Smart Machine」として位置づけ、自動化やものづくりDXソリューションと共にグローバルに展開した。また、受注獲得に注力すると共に収益力改善、資本効率向上を図り、ものづくりを巡る社会課題の解決を通じて企業価値向上に努めた。

 地域別の市況については、日本ではさまざまな産業、顧客層で引き合いが緩やかに増え始めたが、中堅・中小規模の事業者では業界や大手企業の動向を見極めようとするなど、投資の様子見が続いた。こうした中、東京で開催されたJIMTOF(日本国際工作機械見本市、2024年11月開催)に出展し、深刻化する人手不足への対応と生産性の向上の両立に向けて、「自動化・省人化・工程集約」による生産性向上ソリューションを積極的に提案した。また、2024年12月には「お客様との協創」の場として国内で7拠点目となるCS(Communication &
Solution)センターとして九州CSセンター(熊本県)を開設し、半導体関連企業が集積する地域で最先端の生産加工のソリューション提供を開始する等、「ものづくりDXソリューションの展開」を着実に進めま。た。

 米国では、大手企業からの需要は底堅く推移したが、中堅・中小事業者においては金融緩和の時期や規模、次期政権の経済政策の影響等を意識し設備投資の先送りが続いた。こうした中、米国シカゴで開催されたIMTS(国際製造技術展、2024年9月開催)に出展し、ニーズが高まる5軸制御マシニングセンタ、複合加工機等の工程集約型工作機械や自動化仕様の販売促進を図った。

 欧州では、サプライチェーンの再配置の動きが一巡する中、ドイツ等の主要国の景気後退や中国等、海外経済の減速を背景にした欧州の輸出産業の不振が重なり、工作機械の需要は弱い動きが続いた。こうした中、ドイツのシュトゥットガルトで開催されたAMB(国際金属加工展、2024年9月開催)に出展し、生産性向上に寄与する技術、ソリューションをアピールする等、需要喚起に努めた。

 中国では、不動産不況の影響を受け、設備投資を控える動きが続いた。大手EVメーカーからの大型投資案件が下支えとなる中、産業政策により一部の産業では設備投資再開の動きが見られ、また中国 上海で開催されたCCMT
(中国CNC工作機械展、2024年4月開催)への出展等、販売促進に努めた結果、厳しい市況の中にあっても底堅い受注につながった。

 その他のアジアにおいては、国や地域により濃淡はありますが、市況は緩やかな回復傾向が続いた。

 利益面については、工作機械需要に伸びを欠く展開が続く中、部材コスト等の高止まりに対し、内製化の拡大等、生産の効率化に注力すると共に、販売価格への転嫁にも努めた。他方、需要が伸びを欠く中、工場の操業度は本格回復に至らず、利益の下押し要因となった。

■今後の見通し
 世界経済は地政学的リスクやインフレの継続等、今後も不確実な状況が続き、工作機械の需要は力強さを欠くものの、労働人口減少、脱炭素化等、社会課題への対応に伴う需要は中長期的に底堅く推移することが見込まれる中、
2024年10月31日に公表した通期連結業績予想(下記)に変更はない。
 2025年3月期連結業績予想は、売上高 2,100億円(前期比7.9%減)、営業利益175億円(31.0%減)、経常利益175億円(同31.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益125億円(同35.5%減)。

 オークマの2025年3月期第3四半期決算短信

 決算参考資料