タダノ、カーボンネットゼロの実現に向け有線式電動の超大型クローラクレーンを開発

・最大 1,600 トンの吊り上げ性能を誇る超大型製品を電気で動かす

・2025年夏の発売を予定

 タダノは12月12日、有線式電動 CC 88.1600-1(超大型クローラクレーン)の開発に成功したと発表した。最大 1,600 トンの吊り上げ性能を誇る超大型製品を電気で動かすことで、クレーン作業中の CO2 排出をゼロにすることができる世界最大級(タダノ調べ)の画期的な装置となる。発売開始は2025年夏を予定している。

 タダノは 2050 年カーボンネットゼロの実現を目指し、中期経営計画(24-26)においても「Tadano Green Solutions」として環境対応製品の拡充を推進している。

■有線式電動 CC 88.1600-1の主な特徴
・系統電源を使用して電動モータで油圧ポンプを駆動することで、クレーン作業効率を維持したまま、作業中のCO2 排出ゼロを実現可能。

・電動により年間およそ 55 トンの CO2 排出を削減可能(※タダノモデル作業による推定値)

・市場に流通している既存の同型製品(CC 88.1600-1)についても、エンジンドライブコンテナと電動ドライブコンテナを現場に応じて載せ替えることで電動化が可能。

■タダノグループにおけるサステナビリティ推進と風力発電分野への貢献
 タダノグループは、「創造・奉仕・協力」の経営理念のもと、企業価値の最大化と持続可能な事業活動を行うことで、地球環境の保全と持続可能な社会の実現に貢献し、世界にそして未来に誇れる企業を目指している。
 長期環境目標として「2019 年度比で 2030 年に事業活動における CO2 排出量 25%削減、製品におけるCO2 排出量 35%削減、事業活動における産業廃棄物排出量 50%削減」を掲げている。今回の製品導入は「製品におけるCO2排出量削減」に大きく貢献するものであり、今後もタダノは積極的な技術開発・環境対応製品の導入で脱炭素社会の実現に大きく貢献する。
 またタダノは、日本政府も推進する「洋上風力発電」分野に対し、製品ラインナップを通じた貢献を目指している。風力発電設備の設置にあたっては、各パーツがいちど港湾施設に運ばれた後、先組み(プレアッセンブル)してから運搬船に積み込まれる方式が想定されている。
 今回の開発対象である CC 88.1600-1 は、2019年のTadano Demag GmbH 買収によって、タダノグループのラインナップに加わった世界最大級のラチスブーム式クローラクレーンであり、今後も需要の高まりが期待される風力発電事業を始め、「作業中の CO2 排出ゼロの実現」という新たな価値の提供により、安全で質の高い建設作業をサポートできると考えている。

 詳細は、ニュースリリース