・日立エナジー製「EconiQ™」遮断器の提供を通じて、日本におけるサステナブルな送電網の実現を支援
日立製作所(以下、日立)は12月9日、中部電力パワーグリッドから、SF6(六フッ化硫黄)ガスフリーの日立エナジー製「EconiQ™」300kV 遮断器 5 台を受注したと発表した。本件は、275kV 以上の電圧で SF6 ガスフリーの遮断器が導入される日本初のプロジェクトであり、日本におけるサステナブルな送電網の実現に向けた非常に意義のあるマイルストーン。今回導入する SF6 ガスフリー遮断器は、従来の SF6 ガス遮断器と比較し、温室効果ガス排出量を 99.3%低減すると試算される。日立と日立エナジーは、EconiQ 遮断器の提供を通じて、日本の送電網のサステナビリティ向上に寄与する中部電力パワーグリッドの重要なプロジェクトを支援する。
SF6 ガスは高い絶縁性能を有しており、パワーグリッド分野で長年にわたって使用されてきた。しかし、地球温暖化係数が CO2 の 24,300 倍と高く、漏えいした場合の大気中の残存期間も 1,000 年以上と長期にわたることから、気候変動への対策として、欧州を中心とした国々が SF6 ガス機器の新規導入の段階的な廃止に取り組むなど、SF6 ガスフリー機器への移行が進んでいる。日本においても、電化の進展やデータセンターの拡大などにともなう電力需要の増加が見込まれるなか、送電網の増強と温室効果ガス排出量低減を両立させる必要があり、送電網の SF6 ガスフリー化が重要な課題となることが想定される。一方で、日本では現時点で SF6 ガス機器の廃止に関する規制は定められていない。
このような状況のなか、中部電力パワーグリッドは、2022 年に「77kV 以下単体遮断器の更新時において、すべて真空遮断器を採用」とする方針を示した。そして今回、同社は 275kV 以上の単体遮断器についても SF6 ガスフリー機器を採用するという、脱炭素化への取り組みを加速させる先進的な方針を発表した*。
* 中部電力パワーグリッドプレスリリース「2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた SF6 ガスを使用しない機器の採用について」(2024 年 12 月 9 日発表)
日立エナジーは、SF6 ガスフリー化の需要に応えるため、2021 年に EconiQ 高電圧機器の提供を開始した。EconiQ 高電圧機器は、SF6 ガスを環境効率の高い代替ガスに置き換えることで、SF6 ガスを用いた従来機器と同等の性能・設置面積・安全性・信頼性を維持しながら、温室効果ガスの排出量を低減する。日立エナジーは、EconiQ 高電圧機器のラインアップを順次拡大しており、最大 550kV の送電網レベルの電圧に対応した SF6 ガスフリー機器を開発済み。
日立エナジーは今回、日立が中部電力パワーグリッドと締結した契約に基づき、中部電力パワーグリッドの変電所に 300kV の EconiQ タンク型遮断器 5 台を納入する。本件は、275kV 以上の電圧で SF6 ガスフリーの遮断器が導入される日本初のプロジェクトであるとともに、日本における最初の EconiQ 導入プロジェクト。日立と日立エナジーは、同プロジェクトを通じて、中部電力パワーグリッドの温室効果ガス排出量低減に向けた取り組みを支援するとともに、日本の送電網のサステナビリティ向上に貢献する。
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまの DX を支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、IT や OT(制御・運用技術)、プロダクトを活用する Lumada ソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022 年度(2023 年 3 月期)の連結売上収益は 10 兆 8,811 億円、2023 年 3 月末時点で連結子会社は 696 社、全世界で約 32 万人の従業員を擁しています。詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。
■日立エナジーについて
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。お客さまやパートナーとの協創により、世界のエネルギーシステムを、より持続可能、より柔軟、より安心・安全なものにします。電力、産業、運輸、データセンター、インフラの各分野のお客さまにサービスを提供して
おり、140 カ国以上の導入実績を有しています。合計 150GW 以上の HVDC 連系線の電力網への連系など、革新的な技術とサービスでエネルギーバリューチェーンを効率化し、あらゆる人が電気を利用できるよう支援しています。また、分野や地域を越えたステークホルダーとのデジタルトランスフォーメーションにより、カーボ
ンニュートラル実現に向けたエネルギー転換を加速します。スイスに本社を置き、60 カ国に約45,000 人の従業員を擁しており、約 1 兆 8,000 億円の事業規模を有しています。詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)をご覧ください。
ニュースリリース
*リリース内容から一部「ですます調」で表記しています。