権威筋の解釈:10 月の指定規模以上の工業企業の減益幅は大きく縮小

 中国液圧気動密封件工業協会(CHPSA):2024 年 11 月 27 日

■国家統計局工業司統計師 于衛寧氏

 工業企業の利益データを解釈する10 月には、既存の政策と漸進的な政策パッケージの協調的な努力により、指定規模以上の工業企業の生産は着実に増加し、企業収益の減少幅は大きく縮小している。
 多くの業界の収益性は前月に比べて改善し、装備製造業(機器製造業)とハイテク製造業、その他への新たな原動力支援の役割は強く、原材料製造業と消費財製造業の利益減少幅は大きく縮小した。 企業の収益状況は、次の主な特徴が現れている。

■工業企業の当月売上高と減益幅は縮小。

 1〜10 月、全国の指定規模以上の工業企業の売上高は、前年同期比(以下:同比)1.9%増と引続き成⾧傾向にあり、企業利益は同比 4.3%減となった。当月の観点から見ると、10 月は、工業生産の着実な成⾧を受け、生産と販売の結びつきの回復に牽引されて、指定規模以上の工業企業の売上高は同比 0.2%減少し、減少幅は前月よりも 0.7 ポイント縮小した。売上高の回復は企業の利益の改善を牽引しており、 10 月の指定規模以上の工業企業の利益は同比 10.0%減で、減少幅は 9 月に比べて 17.1 ポイントと大きく縮小している。

■60%以上の業界の収益が前月から改善しており、特に製造業が顕著である。

 10 月には、主要 41 業種のうち、27 業種が 9 月に比べて同比で利益成⾧率を押し上げており、減少幅を縮小、または減少から増加へ転じた業種は 60%以上を占めている。3 大業種の内、製造業の工業企業の利益改善効果は顕著で、10 月の製造業利益の減少幅は 9 月比で 22.3 ポイント縮小したことにより、指定規模を超える工業利益の減少幅は 9 月比で 17.8 ポイント縮小した。

■さまざまなタイプの企業に利益回復が見られる。

 さまざまな政策の効果が表れ続けるに伴い、さまざまな事業体の利益改善が続いている。10 月には、指定規模以上の工業企業のうち、外資系企業と香港、マカオ、台湾からの投資を受けた企業、株式会社、民間企業、国営企業の利益減少幅は 9 月と比較してそれぞれ 27.7 ポイント、14.4 ポイント、14.3 ポイント、10.9 ポイント縮小し、大、中、小企業、の利益減少幅はそれぞれ 27.1 ポイント、4.6 ポイント、1.5 ポイン
ト縮小している。

■装備製造業の収益は、減少から増加に転じている。

 10 月には、装備製造業の利益が同比 4.5%増加し、当月の成⾧率はマイナスからプラスに転じ、指定規模以上の工業企業の利益改善に重要なサポートを提供している。

 業種別に見ると、機械製造業の 8 つの業界のうち 7 つの業界の利益は、9 月と比べ減少から増加に転じているか、減少幅が縮小している。その内、鉄道・船舶・航空
宇宙、電子機器、特殊機器などの業界の利益は減少から増加に転じ、当月の同比でそれぞれ63.1%、19.6%、3.8%増加している。 金属製品、一般機械器具、自動車業界の利益減少幅は縮小し、9 月と比べそれぞれ 32.6 ポイント、11.9 ポイント、11.4 ポイントと縮小している。

■原材料製造業と消費材製造業の収益は改善。

 マクロ経済政策の奏功により、国内の消費者需要は着実に回復し、工業製品の輸出の継続的な増加と重なり、原材料製造と消費財製造の利益は改善が見られている。

 10 月の原材料製造業と消費財製造業の利益減少幅は、9 月に比べてそれぞれ 27.7 ポイントと 20.4 ポイント縮小している。

 業種別に見ると、原料製造業の 5 業種中 3 業種、消費財製造業の 13 業種中 9 業種の業界の利益増加率は、9 月に比べて同比で回復し、または減少幅が縮小し、減少
から増加に転じている。その中で、原材料製造業の鉄鋼業界は、今年初めて赤字から黒字に転じており、当月の利益は、同比 80.1%増となった。消費材製造業では、繊維・アパレル、化学繊維、文化・教育・美術工芸などの業界の利益が急増し、同比でそれ
ぞれ 44.3%、21.1%、8.3%増加し、9 月と比べ 53.3 ポイント、65.2 ポイント、32.2ポイント回復している。

■ハイテク製造業の利益は 2 桁成⾧。

 10 月のハイテク製造業の利益は同比 12.9%増で、指定規模以上の業界の平均レベルを 22.9 ポイント上回り、指定規模以上の工業利益の増加を 1.9 ポイント押し上げ、支援と指導は明らかに役割を果たしている。

 業界別に見ると、ハイエンド化、インテリジェント化、グリーン化製造業の持続的な推進に伴い、関連業界の利益は急速に増加しており、その中で、ウェアラブルスマートデバイス製造、センシング機器及びセンサー製造、産業用制御コンピューター及びシステム製造、リチウムイオン電池製造及びその他の業界の利益は、それぞれ同比で 73.3%、48.8%、40.0%、39.4%増加している。
全体として、指定規模を超える工業企業の収益は依然として下降区間にあるものの、既存の政策の実施が加速し、一連の漸進的な政策が導入されたことにより、工業
企業の収益状況は改善が見られている。

 次の段階では、党中央委員会と国務院の決定と取り決めを徹底的に実施し、さまざまな政策を引き続き着実に実施し、経済回復の前向きな傾向を強固および強化し、
工業企業の収益の安定的な回復を促進するしなければならない。

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