㈱神戸製鋼所は11月27日、加古川製鉄所薄板工場において、2017年度から販売を開始したKOBEMAG®※1を自社一貫生産化するため、既存の溶融亜鉛めっき鋼板設備の改造を中心とした設備投資を実施することを決定したと発表した。2028年度の稼働開始、2029年度の自社一貫生産開始を目指す。
<設備改造の概要>
投資額:約320億円
対象設備:No.1溶融亜鉛めっき鋼板設備・その他付帯設備
生産能力:年間約25万トン
稼働時期:2028年8月(自社一貫生産開始は2029年8月を予定)
主要製品:KOBEMAG®および溶融亜鉛めっき鋼板
神戸製鋼所は、2017年度に日新製鋼(当時、以下、日新製鋼)が生産する「溶融亜鉛-アルミニウム-マグネシウム合金めっき鋼板」(日新製鋼製品名「ZAM®」)について、OEM製品販売、及びその後のめっき委託加工に関する契約を日新製鋼と締結した。その後、同製品の神戸製鋼ブランドを「KOBEMAG®」として、販売チームを新設し、自社一貫生産化することを目標に販売活動を行ってきらた。今回、一定の販売数量を確保したこと、顧客からも自社一貫生産化への要望を受けたことから、設備投資を決定した。
KOBEMAG®は、優れた耐食性や耐疵付き性、美麗な表面外観、加工のしやすさといった特長を持つ鋼板で、住宅、建築、土木における構造用部材をはじめ、電機、自動車など幅広い分野の製品に活用できること、製品の高耐久化、長寿命化に寄与することから将来的にも安定的な需要が見込める。
今後、KOBEMAG®の自社一貫生産と顧客への販売を通じて、様々な分野の製品の高耐久化、長寿命化をはじめとした顧客のニーズに対応していくことで、すべてのステークホルダーにとって“魅力ある企業”へと変革をすすめ、「安全・安心で豊かな暮らしの中で、今と未来の人々が夢や希望を叶えられる世界」の実現を目指す。
※1 KOBEMAG®:
「KOBE Magnesium Aluminum Galvanized Steel」の略で、高い耐食性能を有した合金めっき鋼板。優れた耐食性、耐疵付き性、加工性を有し、構造用から建築、電機、自動車分野など広く適用頂ける鋼板。溶融亜鉛-6%アルミニウム-3%マグネシウム合金めっき鋼板となる。