住友商事と四国電力、カタールで発電造水事業を開始、カタール送電水道公社と長期売電売水契約を締結

・カタールのエネルギー安定供給と低炭素化に貢献

 住友商事四国電力は11月26日、韓国南部電力(以下、KOSPO)とKorea Overseas Infrastructure & Urban Development Corporation (以下、KIND)(以下総称して4社)と共に、カタール送電水道公社(以下、Kahramaa)が実施した国際入札にで、Facility E発電造水事業(以下、同事業)権益を受注し、このほど4社を代表して住友商事とKahramaaとの間で長期売電売水契約を締結したと発表した。今後4社は、カタール発電造水会社(以下、QEWC)、カタール国営石油会社(以下、QE)と共同で事業会社を設立する。(注1)。

■事業概要
 同事業は、カタールの首都ドーハから約25キロメートル南の Ras Abu Fontas 地区にある発電所跡地に、天然ガス火力発電所(2,400メガワット)と海水淡水化設備(49.5万トン/日(110 MIGD)(注2))を新設し運転する民活型発電造水事業。既設ガス火力発電所と比べ、ガス消費量やCO2などの排出レベルが低い高効率なガスタービンを採用し、カタールにおけるエネルギーの安定供給と低炭素化に寄与する。今後、事業会社はさらなるCO2排出量の削減に向け、カタール政府と共にCCS(注3)設備の新設計画を検討していく。

 住友商事と四国電力が海外で協業する案件としては、アラブ首長国連邦シャルジャ首長国Hamriyah発電事業に次ぐ2件目の案件。また、カタールで取り組む発電事業としては、住友商事にとっては初めて、四国電力にとってはRas Laffan C発電造水事業に次いで2件目となる。

 住友商事はこれまで、クウェートやアラブ首長国連邦などの中東地域において民活型の発電事業(IPP)と発電造水事業(IWPP)のマネジメントに携わり、保守・運営に関するノウハウを蓄積してきた。同事業でもカタールにおける電力および水の安定供給に貢献していく。

 また、四国電力は、中東地域におけるIPP/IWPP事業として同事業が6件目であり、これまで国内外の電気事業で培ってきた技術・ノウハウを活かして、事業の着実な推進に貢献していく。

 住友商事と四国電力は、今後も需要の拡大が見込まれる国々における電力事業に積極的に取り組むことで、各国の経済発展および低炭素化社会の実現に貢献していく。

(参考)カタールの低炭素化に向けた取り組み
 カタールはパリ協定を批准しており、Kahramaaが発行するQatar National Renewable Energy Strategyにおいて、ガス火力発電所の新設を通じ、老朽化した既設発電所の退役計画が進められているほか、太陽光発電やCCUS(注4)などの導入が計画されている。また、同国では2040年時点の電力需要が2021年比で58%増になると見込まれており、エネルギーの安定供給に向けた取り組みが本格化している。

(注1)出資比率:住友商事: 17%、四国電力: 11%、KOSPO: 6%、KIND: 6%、QEWC:55パ%、QE:5%。
(注2)MIGD:million imperial gallon per dayの略称。
(注3)CCS:Carbon dioxide Capture and Storageの略称。産業活動などから排出されるCO2を回収・貯留すること。
(注4)CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storageの略称。産業活動などから排出されるCO2を回収・貯留・利活用すること。

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