日揮のインドネシア法人、タングーEGR/CCUSプロジェクトの陸上設備EPCI契約を約24億ドルで受注

 日揮ホールディングスは11月25日、インドネシアの西パプア州に位置するタングーLNG EGR/CCUSプロジェクトについて、タングーLNG事業を運営するBP Berau, Ltd.が11月21日に最終投資決定(Final Investment Decision:FID)を行ったことに伴い、日揮グループの現地法人であるJGCインドネシア社の役務となる、陸上での天然ガスの昇圧設備、酸性ガス(二酸化炭素(CO2))の収集・圧縮設備等に係る設計、調達、建設および据付(EPCI)契約を約24億ドルで受注したと発表した。

<プロジェクトの詳細>
契約先:BP Berau, Ltd.
建設予定地:インドネシア共和国 西パプア州ビンツニ地区 タングーLNGプラント敷地内(首都ジャカルタの東約3,200km)
役務内容:陸上の天然ガス昇圧設備、EGR圧縮設備およびコンバインドサイクル発電設備等に係る設計、調達、建設および据付(EPCI)役務
契約形態:ランプサム契約
受注金額:約24億米ドル

■プロジェクトの概要
 タングーLNG EGR※1/CCUS※2プロジェクト(同プロジェクト)は、ウバダリガス田開発のほか、生産中のヴォルワタガス田におけるCCUS技術の適用によるCO2排出量の削減および天然ガスの生産効率向上・増産事業となる。具体的には、天然ガスの生産に伴い排出されるCO2を回収し、ヴォルワタガス田に再圧入・貯留することで、CO2の排出削減と同時に天然ガスの生産効率向上・増産を図る。

 日揮グループは、既存のタングーLNGプラントの敷地内に設置する、既存のガス井から生産される天然ガスを昇圧するための天然ガス昇圧設備(2,350 MMSCFD※3×3基)、既存の酸性ガス除去装置から酸性ガスを収集・圧縮するためのEGR圧縮設備(270 MMSCFD)、コンバインドサイクル発電設備およびその他の必要なユーティリティ設備を担当する。

 日揮グループは、地下にCO2を注入・貯留するCCSおよびCO2を有効活用するCCUSを、脱炭素化の加速と世界的なエネルギー需要の増加という二つの課題に対応する技術ソリューションと位置付けており、CCS/CCUSの事業化および関連設備のEPC役務の受注に向けて積極的に取り組んでいる。日揮グループは、CCS分野におけるリーディングコントラクターとしての評価を築いており、2004年のアルジェリア天然ガス精製プラントでの初のCCS設備の建設をはじめに、オーストラリアLNGプラントでのCCS設備、日本初の大規模CCS実証プロジェクト(北海道)などの実績を有している。

 同プロジェクトへの参加を通じて、日揮グループはCCS/CCUS分野での専門知識とノウハウをさらに発展させ、世界のエネルギー産業の脱炭素化を支援するための価値あるソリューションを提供していく。

※1: Enhanced Gas Recoveryの略。天然ガスの増進回収技術。
※2: Carbon Capture, Utilization and Storageの略。排出されるCO2の回収、利用、貯留による温室効果ガス排出量の削減を図る技術。
※3: Million Standard Cubic Feet Per Dayの略。百万立方フィート/日を意味し、1日あたりの天然ガス生産・供給量の単位。

 ニュースリリース