日精エー・エス・ビー機械が11月12日に発表した2024年9月期(2023年10〜2024年9月)連結業績によると、売上高は、次期に出荷を控える大型機は減少したものの、主力の中小型機が販売台数を伸ばしたことに加え、為替の円安効果もあり、36,778百万円(同105.7%)と過去最高となった。利益面は、人件費や研究開発費等の増加により販売管理費が9,473百万円(同111.7%)と増加したものの、成形機のミックス改善や安定収益の柱となる「金型・部品その他」の増収効果により、営業利益は、7,907 百万円(同110.3%)と過去2番目の高さとなった。その結果、経常利益は8,008百万円(同115.2%)と大幅増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益も5,779百万円(同113.6%)と大幅増益となった。
受注高は41,103百万円(前期比116.8%)、受注残高は 18,454百万円(同125.4%)と、過去最高を記録した。各種展示会での提案強化が実を結び、受注環境は好調に推移した。特に日本と米州で成形機の受注が好調だった。
■製品別売上状況
製品別の売上高状況については、付属機器を除く主要製品で前年同期を上回った。特に、年度を通して好調だった金型が11,718百万円(前期比111.7%)、部品その他が5,161百万円(同112.4%)とそれぞれ過去最高を更新し、容器・金型設計からアフターサービスまでを一貫して提供する同社のビジネスモデルの堅調さを示した。同様に、ストレッチブロー成形機についても、次期に出荷を控える大型機は減少したものの、 主力の中小型機が販売台数を伸ばした結果、18,019百万円(同101.6%)と過去2番目の高水準となった。一 方、付属機器は製品・地域ミックスの影響により、1,878百万円(同94.6%)と減収したものの、高 水準を維持した。
■セグメント(地域)別売上高状況
米州:堅調な中南米地域に加え、北米でも機械需要が回復した結果、受注高は12,836百万円(前期比118.7%)、売上高は12,118百万円(同113.9%)と過去最高となった。セグメント利益も増収効果等により1,803百万円(同132.2%)と増益となった。
欧州:経済環境には不透明感が見られるものの、生活必需品に根差した中小型機の需要が堅調に推移した結果、受注高は7,384百万円(前期比99.9%)と過去2番目の高さとなり、売上高は7,525百万円(同109.9%)と 過去最高となった。セグメント利益も増収効果に加え、前期の展示会費用の負担解消もあり1,082百万円 (同148.9%)と増益となった。
南・西アジア:東南アジア市場は市況回復に時間を要しているものの、インド及び中東市場が堅調に推移した結果、受注高は11,522百万円(前期比104.0%)、売上高は10,864百万円(同106.6%)と過去最高となった。セグメント利益も増収効果等により2,106百万円(同148.4%)と増益となった。
東アジア:日本市場での大型機(PF36)の受注が好調に推移した結果、受注高は9,360百万円(前期比158.9%) と過去最高となった。売上高は大型機の出荷を次期に控えていることもあり、6,269百万円(同88.2%)と減収となり、セグメント利益も5,448百万円(同82.4%)と減益となった。
■今後の見通し
2025年9月期連結業績は、売上高410億円(前期比11.5%増)、営業利益90億円(同13.8%増)、経常利益91億円(同13.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益63億5千万円(同9.9%増)と予想している。
2025年9月期は、インフレ懸念の再燃や中国経済の停滞長期化などの不安要素はあるものの、世界経済は緩やかに回復することが見込まれている。同社グループの属するストレッチブロー成形機業界においても、安全で衛生的なプラスチック容器の需要は底堅く推移することが見込まれ、加えて、気候変動やプラスチック環境問題などの社会課題への関心の高まり は環境対応技術に強みを持つ当社製品の需要を押し上げることが想定される。
同社は、業界のリーディングカンパニーとして、先進的な研究開発活動を継続するとともに、気候変動問題や ESG経営などの社会課題に積極的に取り組むことで、中長期的な事業規模の拡大を図り、恒久的な存続を追求していく。
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