㈱タダノが11月11日に発表した2024年12月期第 3四半期累計(1〜9月)連結業績によると、日本向け売上高は、2,126億8千9百万円(前年同期比104.3 %)、海外売上高比率は64.8%となった。うち日本向け売上高は、建設用クレーンが減少したものの、車両搭載型クレーン・高所作業車が増加し、749億3千2百 万円(前年同期比102.0%)となった。海外向け売上高は、北米・アジア・オセアニアを中心に増加し、1,377億 5千6百万円(前年同期比105.6%)となった。
利益面は、売価改善の効果や為替等の影響により、営業利益は194億8百万円(前年同期比147.1%)、経常利益は171億3千6 百万円(前年同期比146.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は87億7千9百万円(前年同期比177.8%)となった。
1〜9月期におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善する中、各種政策効果もあり、緩やかに回復した。海外においても、一部地域に足踏みがみられるものの、景気は緩やかに回復した。 一方で、世界的な金融引き締めに伴う影響や中国経済の先行き不透明感に加え、地政学的リスクの高まり、物価・人件費をはじめとしたコスト増加等もあり、世界経済の下振れが懸念される。
タダノの関連業界は、日本では、大規模工事が実施・計画されているものの、慢性的なオペレーター不足や本年4月1 日から適用された労働時間上限規制の影響見極めの動きもあり、需要は減少した。海外においては、需要はアジ ア・オセアニア・アフリカで減少したものの、全体としては増加した。
■セグメント別の状況
1)日本:日本向け売上高は、建設用クレーンが減少したものの、車両搭載型クレーン・高所作業車が増加、海外向け売上高も増加した結果、売上高は1,384億4千6百万円(前年同期比103.5%)、営業利益は213億4千1百万円(前 年同期比121.3%)となった。
2)欧州:建設用クレーンの需要は増加したものの、生産制約の解消途上にあることと、工場再編の過程における生産効率低下により、売上高は590億8千8百万円(前年同期比96.8%)、営業利益は81億4千5百万円の損失(前年同 期98億4千6百万円の営業損失)となった。
3)米州:建設用クレーンの需要が増加する中、売上高は804億8百万円(前年同期比119.4%)、営業利益は50億3千8百万円(前年同期比90.1%)となった。
4)オセアニア:建設用クレーンの需要が減少する中、販売に注力した結果、売上高は128億8千8百万円(前年同期比113.8%)、営業利益は11億8千3百万円(前年同期比72.6%)となった。
5)その他:建設用クレーンの需要が増加する中、売上高は56億7千6百万円(前年同期比106.8%)、営業利益は4億3千万円(前年同期比53.1%)となった。
■主要品目別の状況1)建設用クレーン:日本向け売上高は、需要が減少し、333億4千1百万円(前年同期比90.7%)となった。海外向け売上高 は、需要が増加する中、1,141億1千9百万円(前年同期比105.4%)となった。
この結果、建設用クレーンの売上高は1,474億6千万円(前年同期比101.7%)となった。
2)車両搭載型クレーン:日本向け売上高は、トラック登録台数が横ばいで推移したものの、125億7千7百万円(前年同期比107.4%)となった。海外向け売上高は、14億9千6百万円(前年同期比95.5%)となった。 この結果、車両搭載型クレーンの売上高は140億7千3百万円(前年同期比106.0%)となった。
3)高所作業車:トラックシャシ供給制約により日本の需要が減少する中、長野工業(現:株式会社タダノユーティリティ)の買収効果もあり、売上高は153億4千3百万円(前年同期比135.2%)となった。
4)その他:部品、修理、中古車等のその他の売上高は、358億1千1百万円(前年同期比104.5%)となった。
■連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
1〜9月期の業績等を踏まえ、通期連結業績の見直しを行ったところ、売上高は前回予想を下回り、営業利益・経常利益は前回予想を上回る見通しとなった。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は、欧州事業再生に伴う約55億円の特別損失計上を見込んでおり、前回予想を下回る見通しとなった。これにより、2024年2 月14日発表の2024年12月期通期連結業績予想を下記に変更した。
売上高2,900億円(前期比3.5%増)、営業利益230億円(同25. 3%増)、経常利益200億円(同22. 2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益65億円(同16.4%減)。
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