㈱クボタが11月8日に発表した2024年12月期第 3四半期(1〜9月)連結業績によると、売上高は前年同期比197億円(0.9%)増加して2兆2,779億円となった。 国内売上高は機械部門、水・環境部門、その他部門共に減収となり前年同期比152億円(3.2%)減の4,573億円となった。 海外売上高は機械部門及び水・環境部門の増収により、前年同期比349億円(2.0%)増の1兆8,206億円となった。
営業利益は欧州、北米を中心とした機械部門での減販、為替評価損やインセンティブコストの増加などの減益要因はあったが、為替変動や値上げ効果などの増益要因により、前年同期比165億円(6.4%)増の2,754億円となった。税引前利益は前年同期比196億円(7.3%)増加して2,880億円となっ。法人所得税は714億円の負 担、持分法による投資損益は11億円の利益となり、四半期利益は前年同期比182億円(9.1%)増の2,177億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を156億円(8.5%)上回る1,979億円となった。
クボタ2024年第3四半期データ
■ 部門別の概況
<機械部門>
同部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成。
同部門の売上高は前年同期比1.3%増加して2兆171億円となり、売上高全体の88.6%を占めた。 国内売上高は前年同期比3.2%減の2,344億円となった。主に農業機械及び建設機械の減少により減収となった。 海外売上高は為替変動の影響もあり前年同期比1.9%増の1兆7,827億円となった。北米では建設機械の販売は堅調な政府のインフラ開発需要を背景に増加したが、トラクタはレジデンシャル市場の低迷及び農作物価格の下落の影響を受け苦戦した。欧州では、建設機械及びエンジンは、経済停滞に伴う市場の縮小が続いており販売が減少した。トラクタも需要が弱く低迷した。アジアは、タイでは一部洪水の影響があるもの の、干ばつ解消による稲作向け製品を中心とした販売回復により増加した。インドは、第2四半期までは干ばつや総選挙に伴う経済活動停滞の影響を受け市場が縮小したが、第3四半期に入り回復に転じている。
同部門のセグメント利益は、主に欧州や北米での減販損、為替評価損やインセンティブコストの増加などの減益要因はあったが、為替変動や値上げ効果などの増益要因により、前年同期比9.4%増加して3,062億円となった。
<水・環境部門>
同部門はパイプシステム事業(ダクタイル鉄管、合成管等)、産業機材事業(反応管、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境事業(各種環境プラント、ポンプ等)により構成。
同部門の売上高は前年同期比1.2%減少して2,484億円となり、売上高全体の10.9%を占めた。 国内売上高は前年同期比2.2%減の2,105億円となった。産業機材事業の売上は増加したが、パイプシステム事業、環境事業での減少により減収となった。 海外売上高は前年同期比4.3%増の380億円となった。主に環境事業での売上増加により増収となった。
同部門のセグメント利益は主に値上げ効果や原材料価格の改善により、前年同期比7.6%増加して174億円となった。
<その他部門>
同部門は各種サービス事業などにより構成。同部門の売上高は前年同期比18.5%減少して124億円となり、売上高全体の0.5%を占めた。 同部門のセグメント利益は前年同期比12.4%減少して11億円となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2024年12月期の売上高は前回予想時(2024年8月7日)から500億円減の2兆9,500億円(前期比2.3%減)を見込んでいる。北米、欧州を中心に主に機械部門での販売減少が見込まれるため、下方修正した。
営業利益の予想は、主に機械事業での減販影響を考慮し前回予想を200億円下方修正した3,100億円(同5.7%減)とした。また、税引前利益は前回予想比220億円減の3,260億円(同4.8%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前回予想比140 億円減の2,210億円(同7.3%減)とした。
業績見通しにおける想定為替レートは、1米ドル=150円、1ユーロ=163円としている。
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