鹿島、成瀬ダムでタワークレーンの遠隔操作と自動運転を実現

・システムの組み合わせにより生産性約20%・安全性が向上

 鹿島建設は11月5日、タワークレーンの遠隔操作システム「TawaRemo®」(タワリモ)を初めてダム工事に導入し、タワークレーンの「自動運転システム」および車両運行管理システム「スマートG-Safe®」と組み合わせて適用することで、現場作業の生産性と安全性を向上させたと発表した。

 「TawaRemo」は、オペレータの作業環境の改善と生産性向上を目的に、鹿島、竹中工務店アクティオらが共同開発したシステムで、2020年から建築工事を中心に導入を進めてきた。

 今回、秋田県で施工中の成瀬ダム堤体打設工事において、「TawaRemo」、「自動運転システム」、「スマートG-Safe」の3つのシステムを組み合わせてコンクリート打設を行った結果、従来と比較して、生産性が約20%向上するだけでなく、安全性も向上した。

■開発の背景
 ダム工事は施工エリアが広いため、オペレータがタワークレーン上の運転席へ移動するのに多くの時間を要する。また、一度運転席に入ると、そこからの移動が容易ではないため、オペレータは作業開始から終了まで終日運転席で過ごすことになり、作業環境の改善が求められていた。
 さらに、タワークレーンで大量のコンクリートを繰り返し、長時間連続で運搬するため、オペレータに負荷がかかっていた。また、使用する大型タワークレーンは、吊荷のワイヤーが長く、荷振れの制御が難しいため、コンクリート打設1回あたりのサイクルタイムは、オペレータ の技量により変動が生じていた。
 なお、近年は、オペレータの高齢化が進んでいることや、技量の高いオペレータを確保することが困難な状況になっていることも課題になっている。

 詳細は、ニュースリリース