北越工業が11月6日に発表した2025年3月期の第 2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は27,499百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益3,913百万円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,394百万円(同 18. 2%減)となった。
4〜9月期におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなかで各種政策の効果により緩やかに回復したが、一部では高止まりする原材料価格などにより改善が停滞する状況となった。世界経済では、欧米におけるインフレの長期化と高い政策金利の継続や中国における不動産市場の停滞に加え、中東地域をめぐる情勢や金融資本市場の変動の影響など、先行き不透明な情勢が続いた。このような情勢のなかで北越工業グループは、中期経営計画「中期ビジョン2024」に掲げた「常に新しい価値を追求し、社会と産業の発展に貢献する」企業を目指して、成長戦略に取り組んだ。さらに高騰が続く原材料価格に対し、販売価格の見直しや諸経費削減を推進し、利益改善を図った。
<建設機械事業>
売上高は21,349百万円(前年同期比7.3%増)/ セグメント利益3,595百万円(同5.2%増)
建設機械事業セグメントは、主にエンジンコンプレッサ、エンジン発電機、高所作業車などの事業で構成。
販売面では、国内はインバウンド需要の回復によってホテルなどの新築・改修工事案件が堅調に推移したほか、大都市圏での再開発など旺盛な建築工事需要を背景に、高所作業車の出荷が大きく 伸長した。
海外においては、北米向けエンジン発電機が現地レンタル会社各社における在庫調整の影響を受け出荷が伸び悩んだが、北米向けエンジンコンプレッサや東南アジア、中近東向 け製品の販売増が補い、建設機械事業セグメント全体では前年同中間期比で増収となった。
利益面では、原材料価格のさらなる高騰が下押し要因ではあったが、販売価格転嫁のさらなる積 み上げや海外向けに比べて比較的に利益率の高い国内向けの売上の増加に加え、7月までは大幅な円安基調で推移していた米ドル/円での為替効果も寄与し、前年同中間期比で増益となった。
<産業機械事業>
売上高4,454百万円(前年同期比 3.1%増)/ セグメント利益723百万円(同16.7%増)
産業機械事業セグメントは、主にモータコンプレッサ、非常用発電機、部品、サービスなどの事業で構成。
販売面では、主力のモータコンプレッサは、国内の設備投資マインドの低下により市場が縮小し、出荷が低調に推移したが、防災向け非常用発電機や直販扱いとなる大型エンジンコンプレッサの出荷は堅調に推移し、部品・サービスの売上も増加したことにより、前年同中間期比で増収 となった。
利益面では、原材料価格のさらなる高騰は下押し要因ではあったが、製品や部品の販売価格への転嫁などが進んだことで利益改善が図られ、前年同中間期比で増益となった。
■今後の見通し
2025年3月期の連結業績の見通しについては、ほぼ当初の予想どおりに推移しており、2024年5月9日公表値(下記)を据え置いた。
売上高56,000百万円(前期比7.9%増)、営業利益7,130百万円(同15.2%増)、経常利益7,400百万円(同1.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,100百万円(横ばい)。