三菱電機 約160億円を投じて米国と日本で電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化

・エネルギー転換、電力需要の増加に対応

    三菱電機は10月29日、米国の子会社Mitsubishi Electric Power Products, Inc.(三菱電機パワー・プロダクツ、本社:米国ペンシルバニア州ピッツバーグ市、以下、MEPPI)が、米国内におけるエネルギー転換・電力需要の増加に対応するため、約120億円を投資する一方、国内での投資とあわせて、三菱電機グループで約160億円を投資し、国内外における電力エネルギーシステム事業の生産体制を強化すると発表した。

 米国では、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー転換や、電力需要の増加を背景に、開閉器・パワーエレクトロニクス機器の需要への対応が急務となっている。

 MEPPIは今回、この需要拡大に対応するため、新工場棟の建設を含む生産エリアの拡張、新生産設備の導入を行い、開閉器、パワーエレクトロニクス機器の生産効率の向上と供給能力の拡大を図る。

 今回の生産体制強化における開閉器工場の新棟建設と既存棟内のリレイアウトでは、オール電化および再生可能エネルギーの活用により、生産エリアのネットゼロ※1化を実現する。

 また、開閉器の生産機種に関しても、地球温暖化係数※2の高いSF6※3ガスを使用する電力用ガス遮断器から、「脱炭素コンポーネント」として位置づける、環境負荷の低い自然系ガスを使用する真空遮断器へと将来的に転換することで、脱炭素化に向けた取り組みを進めていく。

 今回、MEPPIは開閉器工場の建設にあたり、ペンシルバニア州地域振興・経済開発局(Department of Community and Economic Development)から6.75百万USドル(10億円※4)の助成提案を受けている。

 日本国内においても同様に、急速に拡大する電力需要に対応し、系統変電システム製作所(兵庫県尼崎市)の一部の生産エリアのリレイアウトを行い、キーコンポーネントを含む開閉器の生産増強を図る。

 三菱電機グループは、電力エネルギーシステム事業において、国内外における生産体制・サプライチェーンの強化を図ることで電力の安定供給に貢献していく。

※1 ネットゼロ:温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体で正味ゼロにするという概念
※2 地球温暖化係数:二酸化炭素を基準にして、各ガスの温室効果の程度を数値化したもの
※3SF6:六フッ化硫黄。地球温暖化係数がCO2の23,900倍
※41USドル=142.7円で算出(2024年9月末TTMレート)

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