・一般建機は減少したものの、鉱山機械が増加
コマツが10月29日に発表した2025年3月期の第 2四半期(4~9月)連結業績によると、売上高は1兆9,681億円(前年同期比8.0%増加)となった。建設機械・車両部門では、一般建機の売上げは減少したものの、鉱山機械の売上げが増加し、加えて、円安の影響及び各地域での販売価格の改善の効果などにより、売上高は前年同期を上回った。 産業機械他部門では、自動車産業向けの大型プレスの販売増加と半導体産業向けエキシマレーザー 関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は前年同期を上回った。
利益については、建設機械・車両部門は販売量減少やコストの増加などの影響により減益となったが、リテールファイナンス部門及び産業機械部門が増益となり、営業利益は3,034億円(前年 同期比2.2%増加)となった。売上高営業利益率は前年同期を0.9ポイント下回る15.4%、税引 前中間純利益は2,787億円(前年同期比3.3%減少)、当社株主に帰属する中間純利益は2,017億円 (前年同期比1.9%減少)となった。
コマツは、2025年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」において、①イノベーションによる成長の加速、②稼 ぐ力の最大化、③レジリエントな企業体質の構築を成長戦略の3本柱として掲げている。顧客価値創造を通じた収益向上とESG課題解決の好循環による持続的成長を目指すサステナビリティ経営を 重視し、需要変動に左右されにくい事業構造の構築に向け、活動を進めている。
■部門別の概況
[建設機械・車両]
建設機械・車両部門の売上高は1兆8,302億円(前年同期比7.2%増加)、セグメント利益は2,780 億円(前年同期比1.0%減少)となった。
当期において、建設現場向けソリューションのスマートコンストラクションRを着実に推進し、 2024年9月末時点で海外を含む累計導入現場数は42,882現場に達した。
また、鉱山機械では、無 人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が、2024年 9月末時点で783台に達した。2024年9月に米ラスベガスにて開催された鉱山機械見本市「MINExpo INTERNATIONAL 2024」では、 露天掘り及び坑内掘り鉱山向けに、現場の安全性、生産性向上やGHG削減に貢献する幅広い商品ラインアップ・ソリューションの展示や遠隔操作のデモンストレーションを行った。 カーボンニュートラルの実現に向けては、電動マイクロショベルのモデルチェンジ車「PC01E-2」 を日本で発売開始したほか、ブラジルの大手鉱山会社及び米国の大手エンジンメーカーと、コマツの 超大型ダンプトラック向けに、ディーゼルとエタノールの混合燃料も使用可能なエンジンの開発な どに関する協業を開始した。
■地域別の概況
<日本> 日本では、レンタル向けの需要が減少したものの、販売価格の改善などの効果もあり、売上高は 前年同期並みに推移した。
<米州> 北米では、一般建機の需要は、レンタル、エネルギー関連向けが減少したものの、インフラ向け は堅調に推移した。売上高は、鉱山機械の販売増加や、円安の影響などにより、前年同期を上 回った。
中南米では、一般建機の需要は減少したものの、鉱山機械の販売増加や、円安の影響、販売価格 の改善の効果などにより売上高は前年同期を上回った。
<欧州・CIS> 欧州では、引き続きエネルギー価格の高止まりなどの影響で、主要市場であるドイツ、英国、フ ランスを中心に一般建機の需要が減少したことから、売上高は前年同期を下回った。
CISでは、中央アジアで鉱山機械の販売が増加したものの、ウクライナ情勢に起因したサプライ チェーン及び金融・経済の制約の影響から、売上高は前年同期を下回った。
<中国> 中国では、不動産市況の低迷などに起因した経済活動の停滞は継続しているものの、需要の増加 により、売上高は前年同期を上回った。
<アジア・オセアニア> アジアでは、最大市場のインドネシアにて、一般建機及び鉱山機械の需要が第2四半期に増加へ 転じた。さらに、円安の影響などにより売上高は前年同期並みとなった。
オセアニアでは、一般建機の需要は減少したものの、鉱山機械の販売や部品・サービスの売上げ 増加、円安の影響などにより売上高は前年同期を大幅に上回った。
<中近東・アフリカ> 中近東では、主にサウジアラビアでの一般建機の需要は減少したものの、その他地域でのプロジ ェクトなどにより販売が増加し、売上高は前年同期を上回った。
アフリカでは、南部アフリカ地域における鉱山機械の販売増加や、円安の影響により売上高は前 年同期を上回った。
[リテールファイナンス]
リテールファイナンス部門では、受取金利率の上昇や円安の影響、金融債権の増加などにより、 売上高は618億円(前年同期比30.1%増加)、セグメント利益は148億円(前年同期比14.1%増加)と なった。
[産業機械他]
産業機械他部門では、自動車産業向けの大型プレス及び工作機械の販売増加や、半導体産業向け エキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は968億円(前年同期比 13.8%増加)、セグメント利益は78億円(前年同期比77.3%増加)となった
■次期の見通し
2024年 4月26日に公表しました通期連結業績予想に対し、上期の為替レートが想定より円安に推移したことから予想を上回る業績が見込まれるため、下記のとおり売上高及び利益を修正した。
売上高3兆9,880億円(前期比3.2%増、4月公表から+1,270億円)、営業利益5,730億円(同5.6%減、4月公表から+160億円)、税引前当期純利益5,320億円(同7.6%減)、株主に帰属する当期純利益3,760億円(同4.4%減)。
なお、業績予想の前提となる下期平均の為替レート(1米ドル=140.0円、1ユーロ=149.0円、 1豪ドル=90.0円)は、本年4月26日の公表から変更はない。通期平均の為替レートについ ては、上期の為替が想定より円安に推移したことから、1米ドル=147.0円、1ユーロ=157.8円、 1豪ドル=95.8円となる。(前回通期平均の為替レート見通し1米ドル=140.0円、1ユーロ= 149.0円、1豪ドル=90.0円)
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